[ニューヨーク/ロンドン 9日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」は9日、5月と6月に日量1000万バレルの減産を行うことで合意した。

以下に、識者のコメントをまとめた。

<アゲイン・キャピタルのマネジングパートナー、ジョン・キルダフ氏>

OPECプラスは大概、市場の失望を誘う。今回は山を動かす必要があったが、丘を動かす程度の結果に終わった。

<ボントベル・アセット・マネジメントのコモディティー担当責任者、ミシェル・サルデン氏>

きょうの合意では先行きはあまり明瞭になっておらず、G20エネルギー相の10日の会合で日量500万バレルの減産に合意し、全体の減産量を1500万バレルにするよう促す意図の方が大きいようだ。

<ユナイテッドICAPのエネルギースペシャリスト、スコット・シェルトン氏>

OPECは予想通り減産に動いたが、現物市場で売りに出されているの原油があまりにも多いのに対し、これを輸送できるパイプラインや購入希望者があまりにも少ない。米国で最も高価な原油は5月受け渡しのクッシングWTIで、これがOPECの決定にかかわらず、今後の原油安を主導するだろう。

<ウェルズ・ファーゴ(Wファーゴ)のシニアエネルギー・アナリスト、ロジャー・リード氏>

新型ウイルス感染拡大抑制に向けた厳しい封鎖措置が北米と欧州、一部のアジア諸国で大幅に緩和されない限り、OPECプラスがいかに減産しようとも事態の改善にはつながらない。

<ゴールドマン・サックス>

当社の2020年国際原油需給バランス見通しに基づくと、日量1000万バレルの減産(実質的な減産量は650万バレル)は十分ではなく、原油価格の下落に対応した400万バレルの追加減産が必要。

<みずほのエネルギー先物担当ディレクター、ボブ・ヤウガー氏>

原油貯蔵の増加ペースを鈍らせるだけで、市場の窮状を救うことにはならない。ただ、何もしないよりはましだ。

<国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長>

最大で日量1000万バレルの減産を行っても、第2・四半期に原油在庫が日量1500万バレル積み上がるだろう。