[クアラルンプール 8日 ロイター] - マレーシア航空の全株式を保有する政府系投資会社カザナ・ナショナルは、非公開会社「ゴールデン・スカイズ・ベンチャーズ(GSV)」が25億ドルでマレーシア航空の買収を提案したことについて、懐疑的な見方を示した。

地元紙ニュー・ストレーツ・タイムズが、カザナ・ナショナルのマネジングディレクター、シャフリル・リザ・リズアン氏の発言として報じた。

シャフリル氏は、新型コロナウイルスの感染拡大で航空業界が打撃を受ける中、GSVが十分な資金を調達できるのか「慎重」にみていると発言した。

GSVのシャリル・ラミン最高経営責任者(CEO)は6日、ロイターの電話取材に対し「(欧州の)銀行から25億ドル強を確保した。長期の資金で、受け取りに3─4カ月を要するだろう」と述べている。[nL4N2BV1KZ]

カザナはマレーシア航空の戦略的提携先を探すため、モルガン・スタンレーと助言契約を結んでいる。GSVは先月、モルガン・スタンレーにマレーシア航空の買収案を提出した。

GSVによると、日本のプライベート・エクイティ(PE)会社もマレーシア航空グループへの出資を約束した。具体的な社名は明らかにしていないが、GSVは他の企業とも資金調達について協議しているという。

カザナの広報担当は、様々な企業から複数の提案を受けているとした上で「こうした提案を評価する際には、各提案の投資構造を重視する。多額の借り入れに依存する構造では、財務の持続可能性にリスクが生じる恐れがあり、将来の失敗のリスクが増える」と述べた。

GSVはマレーシア航空の元関係者や航空業の専門家などが設立した企業。