ホワイトハウスが新たな「国際月協定」推進を示唆
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ちょっとわかりにくいので整理すると、今存在する宇宙に関する条約は全部で5つあり、そのうちの一つが「月協定」です。
5つの条約の一つ「宇宙条約」は、宇宙に関する基本的なルールを定める条約ですが、国が天体を所有する事を禁止しています。天体についてはいわば誰のものでもない状態です。
他方、宇宙資源については明言されておらず、その所有が認められるかは見解が分かれています。
なお、アメリカは2015年、ルクセンブルクは2017年に個人に宇宙資源に関する権利を認める立法をしています。
この点、月協定では、天然資源も含めて誰の所有権も認めておらず、明確に私人の所有を否定しています。
そのこともあって、批准国は17か国と少なく、いわゆる宇宙開発先進国は月協定を批准していません。
このように、現状、宇宙資源をめぐる国際的な統一ルールはありませんが、例えばオランダ(月協定批准国)のライデン大学ではワーキンググループが設立され、国際的な合意形成のため活動がなされてきました。
今回の大統領命令が、「宇宙資源の共同利用」という方向に働くのか、あるいは「アメリカによる宇宙資源の独占」に働くのか(原文を読む限り後者を前提に前者をできるだけ頑張るという趣旨にも見て取れました)、今後の動向にも注目しようと思います。月で収集された物、月に持ち込んだ物、他の国と分けあった物などに関する正式な法的見解はまだないのが現状。
地球のどの機関が月での論争を仲裁するのか?
商業採掘によって月面の表土が軌道に吹き飛ばされ、月の外見が損なわれることをどうやって防ぐのか?
月における財産権を検討する必要はあるのか?
必要ないならそれはなぜか、いつ考えるのか?
月が平和に、人類の希望のために使われますように。