[ブエノスアイレス 6日 ロイター] - 格付け会社フィッチ・レーティングスは6日、アルゼンチンの外貨建て長期格付けを「CC」から部分的なデフォルト(債務不履行)を示す「RD」に引き下げた。アルゼンチン政府が、国内法に準拠するドル建て債務の返済を一時停止する計画を発表したことを受けた措置。ただ、政府の発表を受けて市場では国債価格が上昇した。

アルゼンチン政府は5日の法令で、国内法に準拠する最大100億ドルのドル建て債務について、返済を年末まで延期する計画だと明らかにした。この措置で同国が現在債権者と再編交渉を進める国際法に準拠する約700億ドルの外貨建て債務に影響が及ぶことはない。

市場は政府の発表を好感し、6日の店頭取引でアルゼンチン国債価格は1.2%上昇。株式市場ではメルバル指数<.MERV>が3.5%上昇した。JPモルガン・エマージング・マーケット・ボンド・インデックス・プラス<11EMJ>によると、米国債とのカントリー・リスク・スプレッドも22ベーシスポイント(bp)縮小して3661となった。

アルゼンチンのコンサルティング会社エリプシスは顧客向けリポートで5日の発表について「政府が今年上半期中に包括的な債務再編をまとめる時間を稼ぎ、対外債務のデフォルト回避を優先しようとしていることを示すものだ」と指摘した。