[ベルリン 6日 ロイター] - ドイツは、新型コロナウイルス感染拡大阻止に向けた制限措置の期限を19日に控え、日常生活への段階的な復帰に向けたマスクの着用義務化や集会の制限、迅速な感染経路の特定など一連の措置をまとめた。内務省が策定した草案をロイターが6日、入手した。

ドイツでは3月22日から外出制限や非必須事業の営業停止措置が施行されている。経済活動の停滞から独経済は今年リセッション陥る公算が大きく、当局者は日常生活の正常化や経済活動の再開を模索している。

草案によると、今回の措置により、国民の生活を段階的に再開させても、新型コロナ感染者1人から感染する人数を平均1人未満に抑えることが可能という。

また段階的な生活再開は、感染者が24時間以内に接触した人物の80%以上を特定することを可能にするシステムに裏付けられているとし、感染者および接触者は自宅かホテルに隔離されるとした。

草案では新型コロナのパンデミック(世界的流行)は2021年まで続くと想定している。

厳格なソーシャル・ディスタンシング(社会的距離戦略)は継続されるものの、特定の地域では店舗や学校が再開される見込み。国境管理も緩和される見通しだが、大型イベントや個人宅でのパーティーなどは引き続き禁止されるという。

さらに保護マスクが十分利用可能な状態になり次第、電車・バス内や公共建物などでの着用が義務付けられるとした。

メルケル首相は、新型コロナ流行で「欧州や欧州連合(EU)は創設以来、最大の試練に直面している」とし、加盟国が新型コロナによる経済危機から力強い回復を遂げることが重要と強調。最も困窮している加盟国との結束が不十分と見なされた場合、ドイツは弱体化するとし、「ドイツには欧州を守り、強化する用意がある」としたほか、ユーロ圏やEU全体に対する危機後の景気刺激策も支援する意向を示した。

さらに、制限措置の解除は段階的に実施されるとの認識を示した。

ドイツで確認された新型コロナ感染者は6日時点で9万5391人、死者は1434人。

*内容を追加しました。