【核心】新型コロナで、「グローバル主義」は終わるのか

2020/4/6
1347年にイタリアで広がった黒死病(腺ペスト)は、シルクロードから入ってきた。
そして、2020年のイタリアで大流行している新型コロナウイルス感染症も、シルクロードをたどってきた。
14世紀のペスト菌は、媒介となるネズミとシラミが、中国産やインド産の香辛料や絹を運ぶ隊商にくっついて運ばれてきた。クリミア半島に到着すると、荷物(とペスト菌)はジェノバ行きのガレー船に積み替えられ、その後、数世紀にわたり、欧州を大きく翻弄することになった。
人々は何が起きているかわからなかったが、わずか数年で人口の半分が命を落とした。
(写真:powerofforever/iStock)
2020年にウイルスを運んだのは、観光業だったのかもしれない。
ローマで初期に感染が確認された2人は、中国人観光客だった。あるいは、高級ブランドが「イタリア製」という表示を維持するために、中国から原材料と労働者の両方を輸入して、生産に当たらせたからかもしれない。いずれにしろ、今回、イタリアの人々は病名を知っているし、ウイルスの遺伝子構造もわかっている。
パンデミック(感染症の世界的大流行)は、経済のグローバル化なくしてあり得ない。