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ついに査読論文が掲載されたんですね。おめでとうございます。放置され気味だったとして、望月先生のフラストレーションもマックスだったようですが、、、。

ABC予想の解説はこちら

https://newspicks.com/news/2696550

におまかせするとして、ここではこの「宇宙際タイヒュミラー理論(IUT理論)」という奇妙な名前についてコメントしてみます。

「宇宙際」というのはいわゆる宇宙とは関係なく、"inter-universal"の訳です。ここでの「宇宙」とは「数学一式」という意味で、グロタンディークなどが20世紀中頃に概念化しています。「際」は国際や学際と同じで、つまり「宇宙際」とは異なる数学の世界の間の関係という意味になります。

「タイヒュミラー理論」は、30歳の若さで亡くなった(戦死)ドイツの数学者オズワルト・タイヒュミラーの名を冠した理論で、古典的にはリーマン面(変形された複素平面)のタテとヨコ、長さと角度といった密接に結びついた2つの次元の関係(正則構造)を破壊し、一方を固定し一方を伸び縮みさせて、図形間の変化を定量化するというものです。

しかし、IUT理論自体がタイヒュミラー理論を基盤とした発展型というよりは、アナロジーとしてコンセプトが似ている(哲学的な示唆を与えている)と言ったほうが良いかもしれません。

IUT理論の場合はたし算とかけ算の密接な関係(=正則構造)を破壊するという意味においてタイヒュミラー理論に似ているというわけですが、理論の基盤は別の所にあります(そっちはまた更に解説が難しいというか無理)。

つまり、IUT理論とは、「異なる数学の世界(=宇宙)の間の関係を考えることで、タイヒュミラー理論のようにたし算とかけ算の関係を分離して考えることが出来るようにした理論」といったような意味になります。

それによってABC予想の不等式を証明したわけですが、IUT理論はABC予想の証明にとどまらず、それ自体が極めて一般的で奥深い数学であるということが出来ると思います。

今回は論文が査読を通ってジャーナルに掲載されたというニュースであって、一里塚ですが、この理論を問題視している数学者全てが納得しているのかは不明です。

一般論として、有力誌で査読が通れば予想は定理になりますが、今回の件はモノが違うのでどうなることやら。
記事の中でコメントされている文元先生の弟子の私としてはコメントせざるを得ない。。

数学会でも異端視されてきた程先鋭的なIUT理論について、一般向けの本が出ているのが日本のすごい所。

https://www.amazon.co.jp/dp/B07QVHZJL8/

何ならニコニコ動画のイベントでマス向けにも解説されている。

https://www.nicovideo.jp/watch/so32505721

孤高の数学者望月先生の偉大な理論を、マスに伝える文元先生というタッグで、最先端の数学の面白さ、奥深さを感じることができる日本という国は最高ですね。
数学に限らず、サイエンスにおいてはたいていは「仮説」「予想」「問題」が提起され、これを検証、証明していく過程が論文として発表されます。当然その中の全過程が査読、あるいはさらに前の段階で検証され、証明として不十分な箇所があると突き返されてしまい論文として発表することもままなりません(風が吹けば→桶屋が儲かるをすべて検証していくという意味です)。

しかし、仮説や予想が証明されないとその先に学問が進まないか、というとそうでもなく、特定の仮説や予想が証明されたならば、、、としてさらに応用した研究が進む場合もあります(桶屋が儲かるなら、製材屋も儲かるのでは?という研究)。

フェルマーの最終定理でもそうですが、与えられた「予想」自体は中学生や高校生でも理解できるものですが、いざそれを証明しようとすると大変で、今の数学界でも持っていないような、新たな武器を開発していかなければならない、というところが何とも言えないロマンを感じさせる部分ではないかと思います。
今回の武器はIUT理論というそうですが、これもフェルマーの最終定理において使われた谷山-志村予想を思い出します。彼らは別にフェルマーの最終定理を研究していた日本人ではなく、単にモジュラー形式と楕円曲線がつながるのではないかという予想を発表しただけでしたが、その後の数論の発展に大いに貢献することになりました。最終的に証明が必要となり、その過程で骨董品扱いだったフェルマーの最終定理が数学の最前線に躍り出てきたのです。

数論は、ややもすると数学遊びで実用性がないと思われがちですが、通信の暗号化において特に使われており、現代社会の最前線を立派に支える学問です。暗いニュースが続く昨今ですが、学問の素晴らしさが少しでも伝われば良いなと感じています。
弊分野では論文の提出から査読を終えて筆者に届くのに1ヶ月前後、長くても2ヶ月程度が標準です(他分野は不明)。そして、提出された論文に科学的な問題がなければ1、2回この査読プロセスを回して出版に至ります。しかし、査読者から論文掲載を拒否される場合、筆者はいくつかのオプションを持ちます。エディターに論文の査読者を変えてもらってもう一度査読プロセスを踏むか、ジャーナルの出版元は複数あるのが普通(数学分野もこれは同じでしょう)なので別のジャーナルに投稿するなどです。個人的な経験ですが、一度提出した論文が拒否られ続け、最終的に受理されるのに9年かかったことがあります。弊論文の場合は、今回の論文のようにその価値を評価できる人が世界で10人いるかいないかのような類では全くないしょうもない論文ですが、それでもこのようなことが起こりうるのです。岡村さんのコメントにあるように世界的な数学者が疑義を表明する中で、この理論を掲載決定したジャーナルの版元が筆者の所属研究機関と一致しているのは確かに違和感を感じますが、少なからずその価値を評価する数学者がいるならば、あとは世に問えば良いのだと思います。
少し前までピーター・ショルツやテレンス・タオといった著名な数学者がこの論文のギャップを指摘していたけど、論文が受理されたという事は解消されたのかな。所属している研究所が編集する雑誌による受理という点が少し不安に感じる
お疲れ様でした、査読者の方々、Associate Editorの方

数学界のことはよく存じませんが、コレは正直ちょっと気になります、イロイロな意味で ただ他ではやってくれる所なかったのかもですねぇ

「京大によると、論文は同所が編集し、欧州数学会が発行する専門誌「PRIMS」(ピーリムズ)に2月5日付で受理された。今後、特別号に掲載される予定。望月教授はPRIMSの編集委員長だが、今回は除外され、特別編集委員会を設置して論文を審査した。」
この話は、論文を書いた望月先生もすごいけど、
査読者の苦労も想像します。
査読というのは匿名で行います。
読んだ上で、疑問点を著者につたえ、
修正を求めるわけですが、
ここでちゃんと内容を理解していなければ
いけないわけです。
しかし、ここまで先端的だと内容理解できる人も少なく
かつ理解できる人は自分の研究課題も持っているわけで
この論文の理解だけに時間を使うわけにもいかないのが通常です。
学会の査読システムは、査読者の無償の使命感にも
ささえられているとあらためて思います。
ご本人のフラストレーションを打ち明けたブログが思い出されます。
https://newspicks.com/news/4787352

この論文が査読を通ったことによってブログがしてきた問題点(数学界の分断!?)が本質的に解決したのでしょうか・・・
以前この証明が話題になったときに、妻がABC予想とは何か知りたいというので、高校数学で挫折したドがつく文系にわかるように、ホワイトボードで丁寧に説明してあげた結果、ドブン様は「わたしでも証明できそう」と仰せられました。

それほどシンプルな問題なのに、その証明に世紀の天才が646ページもかかり、その査読に8年もの歳月がかかったのが、ABC予想の面白みですよね。

追記:
記事の最後にある「ABC予想が証明されると、フェルマーの最終定理も簡単に導き出すことができる」は不正確ですね。ABC予想において、ε=1のときに、a,b,cの組が「たかだか有限個」ではなく1個も存在しないことが証明できて初めて、フェルマーの最終定理のn≥6の部分が証明できるので。
テレビ、ラジオの放送、放送番組の制作などを行う。朝日新聞社系列。子会社を通じてハウジング事業やゴルフ場の運営事業を展開する。
時価総額
282 億円

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