[東京 3日 ロイター] - 東芝<6502.T>は3日、東京証券取引所と名古屋証券取引所に対し、市場第1部銘柄への指定申請を行ったと発表した。早期の復帰を実現し、成長戦略を加速したい考え。

東証は2部から1部への移行基準について、従来は監査法人による適正意見のついた有価証券報告書が5年分必要としていたが、2月に2年分に緩和した。東芝は2019年3月期までに基準を満たし、申請準備を進めていた。審査プロセスは数カ月とみられる。

1部に復帰すればインデックス型ファンドに組み込まれることで株価上昇要因にもなる。市場推計では、TOPIX指数に組み込むためのパッシブ連動資金によるリバランス買い需要は約940億円とされる。

東芝は、米原子力事業での巨額損失で債務超過に陥り、17年に2部に降格。半導体メモリー事業の売却などの構造改革を進めた一方、デジタル技術を活用したビジネスにシフトし、業績は回復基調にある。

一方、15年には不正会計で内部管理体制に問題があるとして「特設注意市場銘柄」に指定された経緯があるほか、昨年度までの5年間に子会社で架空取引があったことも明らかになっており、東証は慎重に審査を進めるとみられる。

*内容を追加しました。