[オスロ 2日 ロイター] - 運用資産が9300億ドルと世界最大の政府系ファンド(SWF)、ノルウェー政府年金基金は2日、第1・四半期に1兆1700億クローネ(1140億ドル)を失ったと明らかにした。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた株安が響いた。

リターンはマイナス14.6%。

同基金が3月26日に公表した年初来の損失は1兆3300億クローネ、リターンはマイナス16.2%だった。

同基金はノルウェーの石油・ガス生産の収益を株式や債券、非上場不動産などに投資している。

同基金は前週、運用資産全体に占める株式の比率が65.3%と、長期目標の70%を下回ったと明らかにしたが、買い増しの時期には言及しなかった。

2日の発表では、最新の株式比率を明らかにしていない。

ノルウェー政府は、新型コロナの感染拡大を受けて一連の景気支援策を発表しており、政府年金基金からの支出が増えることになる。

同基金からの支出は、平均的な年なら運用資産額の3%以内とみられているが、財務省は今週、2020年は3.9─ 4.7%に膨らむ可能性があるとの見通しを示した。当初の計画は2.5%だった。

政府年金基金のイングベ・スリングスタッド最高経営責任者(CEO)は3月26日、政府が同基金から資金を引き出す場合、株式や不動産ではなく、債券資産の売却資金を充てると述べた。