【セルフマネジメント】「コロナ後」の未来を、いかに紡ぐか

2020/4/5
セルフマネジメント研究の第一人者であるジェレミー・ハンター氏と、新時代の組織論で注目される埼玉大学大学院准教授・宇田川元一氏による特別対談。最終回では、われわれが紡いでいくべき未来を両氏が論じ合う。
【新】コロナ時代を生き延びるための「セルフマネジメント」

経営者こそセルフマネジメントを

宇田川 近年、経営の変革について考えを巡らせているのですが、ジェレミーさんとお話をしていて、「経営者にはどのようなセルフマネジメントが必要なのか」ということも考えました。
よく「経営者は孤独だ」と言われます。「従業員に自分の苦労はわからない」と考える経営者も少なくありません。
しかし、経営者が苦悩をひとりで抱え込んでしまうと、他の社員は「当事者」になれない。
結果としてみんなが会社に対して無責任になっていくことで、余計に孤立が深まる悪循環も起きているように見えます。
経営者が自分の抱えているプレッシャーや辛いことを、まず自分で気が付き、適切に組織メンバーと共有できるようになれば、メンバーの当事者性が生じるので、組織をより効果的に動かせるはずですよね。
ジェレミー 私が『ドラッカー・スクールのセルフマネジメント教室』の中で紹介している「IR(インテンション・リザルト)マップ」が、その役に立つかもしれません。
IRマップは、マインドレス状態から脱却するためのツールです。無意識の行動の流れをさかのぼり、内面や周辺で起こっていることを意識して考えるように導いてくれます。