[デトロイト 30日 ロイター] - 新型コロナウイルスの感染拡大で全米各地で外出制限が実施され、消費者心理も悪化する中、3月の米新車販売は大幅な落ち込みとなる可能性が高い。感染拡大予防策は当面続く見通しで、4月の販売台数はさらに打撃を受けるとみられている。

自動車販売サイト「トゥルーカー・ドット・コム」は3月の販売台数が37%減少すると予想。同社の首席アナリスト、エリック・ライマン氏は「3月は実質的に半月分を失った」とし、4月も50─60%落ち込む可能性があるとの見方を示した。

ゼネラル・モーターズ(GM)<GM.N>やトヨタ自動車<7203.T>など大手メーカーの大半は、第1・四半期の米販売台数を4月1日に発表する。フォード・モーター<F.N>とフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)<FCHA.MI>は同2日に発表する予定だ。

電気自動車(EV)大手のテスラ<TSLA.O>も通常、第1・四半期終了後1週間以内に同期の納車台数を公表する。

3月の米自動車販売がどの程度落ち込むかは定かでない。コックス・オートモーティブは3月の販売予想を公表していないが、自社のデータでは3月27日の消費者向け販売台数は2019年3月27日の水準を55%下回ったとしている。

同社はさらに、カリフォルニアやニューヨークなど外出制限が実施されている州では販売が80─90%減少していると試算。同社のアナリスト、ミシェル・クレブス氏は「4月も同様に悲惨な状況になるだろう」と語った。

IHSマークイットは、新型ウイルスの影響で2020年の米自動車販売が15.3%落ち込み、世界全体では12%減少すると予想。2008─09年の景気後退局面よりかなり大幅な落ち込みになると見込んでいる。

自動車販売サイト「カーグールーズ」<CARG.O>の分析担当ディレクター、ジョージ・オーガスタイティス氏は、職を失った人への政府の支援が新車販売台数の回復の鍵になると指摘。「消費者が保護されれば、市場は比較的速やかに回復するだろう」と述べた。