[パリ 27日 ロイター] - 格付け会社S&Pグローバル・レーティングは、 欧州航空機大手エアバス<AIR.PA>を格下げ方向の「クレジット・ウォッチ」に指定した。新型コロナウイルス感染拡大が航空会社に打撃を与えるなか、今後の航空機納入や納入前の支払いを巡り懸念が浮上しているとした。

エアバスは先に、ほとんどの航空会社が引き続き発注済みの航空機の前払い金を支払っていると説明し、支払いが遅れた場合は生産調整を行うとしていた。

ただ、S&Pは、支払いの遅れはエアバスの「Aプラス」格付けの下押し要因になる可能性があると指摘。業界筋によると、エアバスが現在受け取っている前払い金は、新型コロナ危機が始まる前に資金調達を済ませていた分だという。

S&Pのアナリスト、トーマス・エクホルム氏は文書で、「短期的に、納入あるいは前払い金の受け取りが全くない状態でエアバスが生産を続けると想定している」とした。

格付け会社フィッチもエアバスに付与している「Aマイナス」の格付け見通しを「ネガティブ」に引き下げたばかり。航空機納入が延期されるリスクを理由に挙げた。

S&Pは、エアバスの納入および生産実績に基づき、毎月50億ユーロの資金不足が生じると予想した。