炭素の紐で宇宙のゴミを除去 JAXAと人工流れ星ベンチャー企業が提携
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注目のコメント
この技術、けっこう筋がいいかもしれない。なぜかって完全にパッシブ(受動的)な方法なので(追記:そうじゃないらしい。以下参照)。ただ紐を伸ばすだけ。すると勝手に電気が流れて、軌道エネルギーが電気抵抗で熱になって消費されて、軌道が落ちます。しかも、ちゃんと考えてないけど、テザーはこの方向で重力安定するんじゃないかな。(ダンピングがちゃんとあるかが問題かもですが。)ならば制御の必要もない。つまりエンジンが壊れていても大丈夫。運用の必要もない。
あとは、この技術がどれほどのクラスの衛星に使えるのか、どの程度の軌道でどの程度の時間で離脱させられているのか。そしてテザーを望みの形状に出来るだけ簡単に展開できるのか。この装置の重量や容積はいかほどになるのか。それによりけりですが、もしかしたらアクティブな方法(AstroScaleがやっているようなやつ)より、これを全衛星に付ける方が、コストが安く効果的になるかもしれません。
まあただ、そうは言った上で、テザー、けっこう難しいです。ただの紐、されど紐。ダイナミクスが複雑ですからね。まずは軌道上の実験ですね。
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【追記】Twitterのフォロワーの方からのツッコミです:
@eddie_masa
完全にパッシブではなく、電子源から電子を放出するためのエネルギーがいるはずです。電子源がCNTだと原子状酸素による損耗に弱く、cBNを使い提案もありますが、デブリ除去用途ならCNTで十分な寿命という判断かと思います。なるほど、カーボンチューブに電流を流して発生するローレンツ力で人口衛星を減速させて大気圏に落とすのね。電磁気学の良い問題が作れそう(上手に問題を設定すれば高校物理の範囲でもいけそう)。逆にこういう例は、電磁気学をきちんと学ぶ良い動機になると思う。ぜひ成功して欲しい。
>引用
『装置の仕組みは、カーボンナノチューブ製の紐を宇宙空間上で展開させ、地球の磁場によりミッションが終了した人工衛星の軌道を変更させるものだ。これにより軌道高度の降下が実現し、大気に再突入できるようになる。』2017年,こうのとりを使った実験に失敗していたが,先に進めてよかった.
https://www.sankei.com/life/news/170206/lif1702060025-n1.html