[東京 26日 ロイター] - 西村康稔経済再生相は26日、内閣府内で記者会見し、きょう公表した3月の月例経済報告について、緩やかな回復基調は明らかに転換して下降局面に入っているとし、強い危機感を表した基調判断との見解を示した。

西村経済再生相は、「景気後退局面に入っているか」という記者の質問に対し、「景気後退局面(に入っているかどうか)の判断は、専門家による事後的な検証を経て行われる」とした上で、「これまで述べてきた緩やかな回復基調は明らかに転換し、下降局面に入っているという認識だ」と国内経済の現状に警戒感を示した。

3月の月例経済報告では景気の統括判断を「新型コロナウイルス感染症の影響により足元で大幅に下押しされており、厳しい状況にある」とし、大幅に下方修正した。こうした表現は、リーマンショック直後の2009年2月から2012年7月まで用いられており、7年8カ月ぶりに使われた。

西村経済再生相は、足元では新型コロナウイルスの感染症の影響を受けて、「国内外問わず、家計や企業、その活動が著しく活動が制約されている。経済活動の水準が大きく低下し、厳しい状況」と指摘。

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、政府が策定を急ぐ経済対策については、デフレに後戻りしないよう、そのインパクトに見合う規模の対策が必要だとし、「これまでと全く違う発想、異次元の思い切った対応策を考えていきたい」と述べた。

経済対策には「3つのフェーズが必要だ」と指摘。いま行っている中小企業の資金繰り支援や雇用調整助成金の活用、緊急の小口資金などが「第1フェーズ」の対策だと説明した。さらに、新型コロナウイルスの感染拡大が終息した後には、観光需要喚起のキャンペーンなど、出来るだけ多くの人に消費をしてもらうような「第2フェーズ」の政策が必要だと言及。

こうした数段階の経済対策が必要だということを頭に置いた上で、「マクロ的な視点からどの程度のインパクトがいま生じているのかをみた上で、どのくらいの規模の経済対策が必要かをしっかりと考えていきたい」と強調した。

(浜田寛子)