[ベルリン 26日 ロイター] - ドイツのIFO経済研究所が26日発表した調査によると、ドイツの輸出企業の景況感が世界金融危機以降で最悪となった。新型コロナウイルスの感染拡大で同国製造業がこの先、厳しい状況に直面するとみられる。

輸出見通しを示す指数は3月はマイナス19.8と2009年5月以来の低水準に悪化。2月(マイナス1.1)からの低下幅も東西ドイツ統一以来、最大となった。

IFOのクレメンス・フュースト所長は声明で「新型コロナウイルスは世界貿易にブレーキをかけている。国際的な物流がより困難になっている。輸出国であるドイツは特に影響を受けている」と述べた。

調査では、製造業の全セクターで見通しが悪化。特に自動車部門は輸出の急減を見込んでいる。一方、電気製品、化学セクターは緩やかな減少を予想している。

IFOは前日、今年のドイツ経済が最悪20%のマイナス成長になる可能性があるとの見方を示した。

こうした中、独経済紙ハンデルスブラットは、3月のIFOの国内雇用指標が10年1月以降で最低になり、下げは02年の統計開始以降で最大になったと報道。IFOエコノミストのウォルラーベ氏は「企業は採用計画にブレーキをかけている」とし、失業率の悪化は避けられないと述べた。

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