[サンフランシスコ 25日 ロイター] - 米民泊仲介大手エアビーアンドビーは25日、金融機関との電話会合を行い、現在の10億ドルの融資枠を延長する方向で協議した。会合に参加した関係筋が明らかにした。

現在の融資枠は、2016年にJPモルガン<JPM.N>、シティグループ<C.N>、モルガン・スタンレー<MS.N>、バンク・オブ・アメリカ<BAC.N>などが主導で合意したもの。

関係筋によると、同社が融資枠を使用したことはない。期限は残り1年あるが、適切な時期まで延長したい意向だという。

同社は昨年9月、2020年に新規株式公開(IPO)を実施する計画を明らかにしている。新型コロナウイルスの感染拡大が起きるまでは、2020年の調整後の利払い・税・償却前利益(EBITDA)について、損益均衡または黒字化を見込んでいた。

関係筋によると、同社は金融機関との協議で、2021年初めには予約件数が2019年の水準を回復するとの試算を示したという。ビジネスモデルの耐性を示す内部資料として、2017年9月に大型ハリケーン「マリア」が襲ったプエルトリコで、その後1─2年程度で宿泊提供元の件数が劇的に回復した例を提示した。

新型ウイルス感染拡大の影響がある中でも、同社には投資家から株式取得について多くの打診が寄せられているという関係筋もあった。

また同社は、政府による2兆ドル規模の新型コロナウイルス対策により、感染拡大で甚大な影響を受けている米国内の宿泊提供元は支援が得られる、との認識を示した。

経済対策が実施されれば、新型コロナウイルス陽性が判明した提供者などが失業支援を申請することが可能になる。また、運転資金などに小規模事業者向けの融資が利用できる。