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見事にドイツやオランダは9か国入っていませんね。共通債の設計はほぼ間違いなくcapital keyを利用することになるのでしょうから最大比率のドイツが渋っている内は動きにくいでしょう。また、SGPの制約を緩めてくれたわけですからまずはその範囲で頑張れるところまで頑張る、というのが初手になるはずです。OMTの利用やコロナ債など、もはや全弾撃ち尽くしという風情の報道が出ておりますが、既にラガルド総裁は大分打ち込んだのでその効果をまずは見たい所です(まだ始まってもいません)。

なお、NPでのコメントを多数見ていると「FRBやECBがここまでやったからこの程度で済んでいるのであって、拙速という批判はおかしい」という論調を目にしました。これには驚きました。ECBはともかくFRBの狼狽と失策ぶりは市場参加者の間ではタカ派・ハト派に拘らずコンセンサスに近いものです。利下げの「有無」ではなく、その幅を使う「ペース」について、FRBは全く支持されていないと思います。

一方、日銀の落ち着いた対応(必要なことだけしっかり打つ対応)は珍しく高い評価を受けていると思います。少なくとも実務の現場はそうした雰囲気です。もっとも「市場の評価」が常に正しい訳ではありませんので、それが真の意味で正しい・間違ってるという話ではありませんが。
通貨を統一しながら財政が統一されていないのが、欧州統合を目指すEUの弱点といえば弱点です。だから、財政が健全なドイツは“実質的な通貨安”を享受してEUの中で独り勝ち状態になることができました。財政が健全なオランダなど北部欧州も似たような状況です。
ユーロ圏の債務を共通化するEU共通債は、EUの財政統合への道を拓きます。イタリア、フランス、スペイン、ポルトガル、ギリシャなど、財政が弱い国々が乗り気になることも、ドイツやオランダなど財政が健全な国が否定的になることも当然です。
新型コロナウィルス禍を受けて財政規律を一旦棚上げしたドイツですが、将来に亘って財政赤字を容認するかは疑問です。いずれにしても、新型コロナウィルスが、財政の統一を先送りしたまま通貨を統合したEUの積年の課題に焦点を当てたのは間違いなさそうに感じます。ウィルスが去ったのち、欧州はどこに向かうのか。新型コロナウィルスの影響力、おそるべし (・。・;
コロナショックは、EUというシステムの負の面を浮き彫りにした。これまでも何度も指摘されてきたことだが、こうした危機時において欧州共同債やEU財務相みたいなものがないため、財政政策は各国に委ねられるという点だ。それは仕組み上、やむを得ないのであるが、各国に任せれば、その規模や実施時期などが、まちまちとなり、今回のような短期集中型の対策が必要な危機への対応が弱まることだ。もちろん、共産党一党独裁の中国は、こういう危機時には強い。大きな権力を持つ大統領制の米国なども議会の承認は必要とするとはいえ、欧州よりは遥かに行動を取りやすい。このEU共通債もドイツにしてみたら、もっと低金利で資金調達は可能なわけで、EU共通債として高いコストを払いたくない。昔からの議論だ。
しかし、ドイツも今回の問題が単なる経済合理性で対応すべきマターでないことは理解しているだろう。まず各国が最大限の対策を取って、それでもEU全体にストレスがかかるなら、EU共通債は実現するかもしれない。順番の問題だ。
今回のコロナウイルスにより、EUの基本理念である人の移動の自由は一時的に打ち砕かれた。財政規律の理念も妥協を迫られた。EUというシステムの転換点になっていくだろう。今後の経済がリカバリーしていく過程でも問題は生じる。個別国により、リカバリーの強弱は異なる。これだけの被害なら、その格差は大きくなる。しかし、金融政策は共通である。弱っている国にペースを合わせれば、経済が好調な国ではバブル的状態を作るし、大国に合わせれば周辺国から不満が出るだろう。EUというシステムは、こうした危機を経験して、少しづつ洗練されてきているが、果たしてこのコロナショックの後のEUはどういう方向へ向かうのか、非常に興味深い。
2009年に起こったギリシャ危機を受け、正式に発足したという欧州安定メカニズム(ESM)の活用も議論されるようです。

欧州安定メカニズム(ESM)についてはこちらをご参照ください。
https://www.iima.or.jp/abc/a/4.html