(ブルームバーグ): 中国では今年初め、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って製薬会社の生産が4割近く減った可能性がある。米国薬局方協会(USP)が指摘した。

世界の医薬品供給の屋台骨である中国で生産が滞れば、新型コロナ感染者が増える米国で今後需要が高まる医薬品が不足する事態になりかねない。

多くの医薬品の品質検査で基本的なツールを提供するUSPは通常、全世界の医薬品メーカーや研究施設に年間85万本のボトルを送付する。これには医薬品やその有効成分の品質評価に利用される約4000種類の化学物質が含まれる。

USPのロナルド・ピエルビンセンツィ最高経営責任者(CEO)はインタビューで、この需要が中国で1-2月に36%減少したと述べた。製薬会社の活動が減っていたことがうかがわれる。

また、不足の恐れがある医薬品の中には、人工呼吸器を使う患者によく使用されるものがあるという。

人工呼吸器患者が必要とすることの多い抗生剤など、一部の医薬品は中国だけで生産されていることが知られている。中国で減産となれば、既に逼迫(ひっぱく)している供給がリスクにさらされる恐れがある。

原題:Virus Likely Curtailed China Drug Output, Raising Shortage Fears(抜粋)

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