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引当急増による銀行の資本不足を顕在化させないことと、借手支援の柔軟性を確保することの2つの目的でIFRS9(貸出を含む金融商品会計)の一部停止を検討。

そもそも、IFRS9が極めて市場価格至上主義の哲学の下で貸出評価を行うことに舵を切ったツケだと思う。
銀行勘定の主要部分である貸出は刹那的な有価証券取引とは峻別して評価すべきであり、長期的事業性評価やリスケ等による事業価値保存・再生効果を斟酌して行われるべきである。
2月に日経電子版に寄稿しましたので、詳細はその本文をご覧頂きたいのですが(https://newspicks.com/news/4682618?ref=user_345620)、日本も金融検査マニュアルが廃止され、銀行の引当実務は大きく変わります。それまで機械的に形式基準で融資先の格付けをしていたものが、より動態的観点から格付けすることになります。その際に考慮すべき条件が、マクロ経済環境等の変化、業種別グルーピングによる貸倒実績率の差別化などに加えて、銀行の経営としての当該企業や業種への事業性評価やサポート方針など総合的な観点です。

今のような局面においては、マクロ経済状況の悪化は当然引き当て増の理由になりますが、一方で、一時的要因により困難に陥った企業や業種に対する支援を経営方針として決定している場合は、経営判断として引き当てしないという判断も可能になっています。そして、金融庁との対話の中でその経営方針が是認されればそれを基準とした会計処理が可能です。これまでの麻生大臣のコメント内容からは、金融庁の方針はそちらの方向だと思われます。金融庁として、もしそうであればそれを明確化するべきです。

現在政府日銀はあれこれ政策を練っているようですが、外出禁止の中で少々の現金を給付するとか、ましてや今日のNHKで報道されていたような「お肉券」の配布など、小出しで陳腐な政策には、選挙対策以外になんの意味もない。そんなことをするなら、企業(中小企業に限らない)・個人事業主の資金繰り支援だけに的を絞って迅速に実施すべきです。それによって経営の行き詰まりを解消し、雇用を守ることが何よりも大事なのです。

その際に、先ほど述べた金融庁の方針の明確化は非常に重要です。
加えて言うと、それで仮にコロナウイルスの蔓延が止まらなかった場合に金融機関に将来生じるかもしれない与信関連費用については、経営責任を問わないで議決権のない公的資金を投入することも政治的に決めておくべきです。そういう根本的な政策を打ち出す前に現金給付とか訳の分からないバラマキを考えるのはやめた方がいい。日本の財政は既に疲弊しており、トリアージ的発想で財政支出をすべきなんです。その場合の最優先課題は(コロナウイルスの蔓延防止策は言うに及ばず)、疑いなく企業の存続支援です。
これをやらないと銀行がコロナの影響を受けて青色吐息になっている会社を支援するための融資をできません。この際、打てる手をすべて打っておかないといけないという意志に表れでしょうね。

EUはコロナの前に自国優先の本音が表出して結束力の乱れを露呈してしまいましたが、こういうときこそ結束を示せるといいですね。
「すでに資本準備金の利用や貸倒引当金の抑制などを銀行に認めているが、さらに踏み込む」・・・ これで銀行のキャッシュフローが変わるわけではなく、いわば決算書のお化粧です。銀行の健全性を維持・強化するため様々な規制を強化してきたはずなのに、健全性が損なわれそうな状況下で合法的な“粉飾決算”を許すのは、いってみれば矛盾です。とはいえこれをやらないと、銀行の融資余力が枯渇して、金融システムが混乱しかねません。マイナス金利政策で金融機関の体力を弱めたツケの現れの一つでしょう、たぶん (・。・;
「国際会計基準(IFRS)第9号(金融商品)の一部を一時的に停止することなどが選択肢として検討されている。第9号は2018年に導入され、実質破綻先への融資で見込まれる損失を従来よりも早期に計上するよう銀行に義務付けている。」
感染が広がる欧州で、企業や銀行への支援が進みます。
金融機関が最後の出し手となる、その実効性を備えていけるような取り組みのひとつです