[チューリヒ 25日 ロイター] - スイス政府とスイス国立銀行(中銀)は25日、新型コロナウイルスの感染拡大で大きな影響を受けている経済の支援に向け、企業に対する政府保証の融資提供などを含む一連の措置を打ち出した。

政府はこの日の閣議で200億スイスフラン(204億2000万ドル)の緊急措置を決定。26日以降、企業は取引先の銀行を通して最大50万フランの無利子の政府保証融資を受けられるほか、「収入が大きく減少した」企業は2000万フランを上限として年収の最大10%に相当するつなぎ融資を申請できる。また、50万フランを超える融資については利子率を0.5%とし、融資残高全体の85%を政府が保証する。

中銀は上限なしに銀行システムに流動性を供給するために「COVID─19リファイナンス・ファシリティー」を設置。26日に運用を開始する。

ジョルダン中銀総裁は記者会見で「危機に対応するには銀行システムに流動性が存在していることが必要不可欠」と述べた。

中銀はまた、政府に対しカウンターシクリカル資本バッファー(CCyB)を直ちにゼロ%に引き下げるよう要請。当局者は、こうした措置により銀行は自社株買い戻しを停止し、配当金支払いを延期する必要があるとしている。