[10日 ロイター] - <ロンドン株式市場> FT100種総合株価指数<.FTSE>が取引終盤に持ち直し、1.45ポイント(0.02%)安の6873.55とほぼ横ばいで取引を終えた。合併話が持ち上がったビール醸造のSABミラー<SAB.L>が急騰し、競争激化観測で通信大手のBTグループ<BT.L>が売られたことによる指数下落を打ち消した。

SABミラーは欧州ビール大手との合併話が出たことで5.6%上昇した。FT100種の指数上昇のほとんどはSABミラー株が買われたことによって生じた。

一方、BTグループは2.4%の下落。イギリス有料放送最大手のBスカイB<BSY.L>による欧州サッカー専門チャンネルの立ち上げが業界内競争を激化させるとの見方が広まった。BスカイBのウェブサイトによると、同社のスカイスポーツの契約者は追加料金なしで新チャンネルを視聴できるほか、ブロードバンド通信も2年間無料になる。このことは、同様にスポーツ関連コンテンツをてこに契約者獲得を進めてきたBTグループにとって打撃になると受け止められた。

<欧州株式市場> 上昇して取引を終えた。製薬大手ノバルティス<NOVN.VX>や食品大手ネスレ<NESN.VX>など、スイスのディフェンシブ銘柄に買いが集まり、全体をけん引した。

FTSEユーロファースト300種指数<.FTEU3>は4.47ポイント(0.32%)高の1398.18で取引を終了。ノバルティスや同業のロシュ<ROG.VX>がともに2%上昇したほか、ネスレも0・9%高となった。

スイスの主要株式指数SMI<.SSMI>は93.17ポイント(1.08%)高の8752.86と、6年半ぶりの高値で取引を終えた。

DJユーロSTOXX50種指数<.STOXX50E>は8.54ポイント(0.26%)高の3313.80。

欧州中央銀行(ECB)の追加緩和の動きを追い風に、過去3週間で約5.7%上昇してきたが、ここへ来て「買われすぎ」の領域に入ってきた。70以上で「買われすぎ」と判断されるRSI(相対力指数)が71をつけており、STOXX50種指数は近い将来に上昇が止まるか、あるいは下落傾向に転じる可能性がある。

スペインでは利益確定の動きが出て、IBEX35指数<.IBEX>が0.1%の下落となった。ただ、同指数は今年に入って約12%上昇しており、英FT100種総合株価指数 <.FTSE>やドイツのクセトラDAX指数<.GDAXI>を優に上回る伸びとなっている。