[24日 ロイター] - IHSマークイットが24日公表した3月の米購買担当者景気指数(PMI)は40.5と、過去最低水準を付けた。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で製造業とサービス部門がともに低迷した。米経済が既に景気後退入りしているとするエコノミストの見方を後押しする内容だ。

2月のPMIは49.6だった。指数は50が景気拡大・縮小の節目となる。

3月のPMIは12─23日に集計された。

全米の人口の半分近くを占める最低18州では先週以降、スーパーマーケットや薬局、ガソリンスタンド、病院への外出など必要な場合を除き主に自宅にとどまるよう指示が出され、非必須事業も閉鎖になった。

新型ウイルスの感染拡大を受け、国内の多くの地域で自宅待機が要請され、サービス業の打撃となっている。製造業も、供給網の混乱や「社会的距離戦略」が影響し、エコノミストによると米経済は3月に景気後退入りした。

米連邦準備理事会(FRB)は23日、新型ウイルスの経済への打撃を和らげるために大規模な一連の追加支援策を導入した。かつてない規模で家計や中小企業、大企業へ信用を供与する。

IHSマークイットのチーフ・ビジネス・エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「PMI統計は米経済が既に景気後退に陥った可能性を示している。今後は一段と悪化するだろう」と述べた。

内訳は、サービス業が39.1と、過去最低水準を付けた。2月は49.4だった。低下幅は09年10月以来の大きさ。市場予想は42.0だった。サービス業は米経済の約3分の2を占める。

製造業は49.2と、127カ月ぶりの低水準。2月は50.7だった。低下幅はサービス業ほど大きくなかった。3月の製造業PMIのうち新規受注指数が50を下回った。

活動を停止したと報告する製造業者もいた。納期までに受注を処理できなかったものに関しては返金したという。

全体の新規受注指数の低下は、新型ウイルスの感染拡大による需要縮小を反映。受注が減っていることで人員削減は09年12月以来の速いペースになった。

企業は向こう1年間で経済活動が活性化するとの見方を示す一方で、景況感は過去最低水準だった。事業閉鎖の期間や新型ウイルスの経済への影響が不安視されている。