[ワシントン 23日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は23日、2020年の世界経済は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)により景気後退(リセッション)に陥るとした上で、08―09年の金融危機以上に悪化する恐れがあると警告した。また21年の経済は持ち直す見込みとした。

世界各国による財政出動や経済対策は評価できるが、「財政面で一段の対策が必要になるだろう」と指摘。「新型コロナの人的被害はすでに計り知れず、人命を守り経済被害を抑制するため全ての国々が協力しなければならない」と訴えた。

世界経済の見通しは暗く、「少なくとも金融危機と同等もしくはそれを超える景気後退になる」と予想。また来年は経済の回復が見込まれるものの、そのためには各国が感染の予防や医療制度の強化を最優先に行う必要があると述べた。「新型コロナの経済的な影響は深刻化する見通しだが、感染の防止が早期であるほどその後の景気回復も強まる」と強調した。

IMFとして各国への緊急援助体制を大幅に強化する方針で、すでに80カ国から支援要請があったと明らかにした。