[シンガポール 23日 ロイター] - シンガポール航空<SIAL.SI>は23日、新型コロナウイルス感染拡大に伴う渡航規制が需要に影響を及ぼしているとし、輸送能力を96%削減すると発表した。

また、シンガポール航空とシルクエアーが保有する147機のうち、138機を運航停止とするほか、格安航空のスクートも49機中47機の運航を停止する。

同社は「厳格な国境管理がいつ解除されるか先行きが不透明なことから、通常のサービスの再開時期は不明だ」としている。

シンガポール航空の株価は0350GMT(日本時間午後0時50分)時点で、9%超下げている。

香港のキャセイ・パシフィック航空<0293.HK>も4月と5月に輸送能力を96%削減するとしている。

シンガポール航空は、航空機メーカーへの発注機の納入延期要請や経営陣の給与削減などで、流動性の強化と経費の削減を進める方針。

昨年12月末時点のキャッシュバランスは15億7000万シンガポールドルで、前年同期の水準を19%近く上回っていた。

ゴー・チュン・ポン最高経営責任者(CEO)は、雇用の保護に注力するとしている。2019年3月終了の会計年度でグループの従業員数は2万6500人以上だった。

現在、一段のコスト削減に向け、労組と協議している。

同社はここ数日、当面のキャッシ需要に対応して借り入れを行ったとし、今後の資金需要に対応するために金融機関と協議していると説明した。