イタリア、1日で793人死亡 過去最多、工場閉鎖へ
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注目のコメント
イタリアの疫学者のこの言葉が、全てを物語っているのかもしれません。
“Who we call ‘Patient One’ was probably ‘Patient 200’”
(我々が1人目の患者と呼んでいる人は、おそらく200人目の患者だった。)
イタリアでは、感染者の追跡のスタート地点から、1人の追跡を開始する傍ら、199人を追跡できていなかったということです。
そして、こうも語っています。
“I would have done them 10 days before, that is the only difference.”
(私ならこれらのことを10日前にやっていた。それが唯一の違いだ。)
診断がつくのは感染成立から1週間後。亡くなられているのは、さらにその1週間も2週間もあとのことです。感染成立からはすでに1ヶ月後かもしれません。なんとなく日々報道されている数字を追っていると、これらの「タイムラグ」を見失ってしまいがちです。
たった1週間の遅れが、違いを生んでしまいます。タイミングを逸しないことが大切ですが、それが難しい。現状評価に見合わない先手を打つことが鍵になるということを学ばされます。3月19日付でイタリア衛生当局が発表していた性別・年齢別の致死率(致命率)は、以下のとおりです。
(※当時判明していた死者数は3047人)
30代未満 0(死者数0/判明患者数1849)
30代 男性0.6%、女性0.2%、男女計0.4%(9/2525)
40代 男性0.7%、女性0.4%、男女計0.6%(25/4396)
50代 男性1.7%、女性0.6%、男女計1.2%(83/6834)
60代 男性6.0%、女性2.8%、男女計4.9%(312/6337)
70代 男性17.8%、女性10.7%、男女計15.3%(1090/7121)
80代 男性26.4%、女性19.1%、男女計23.2%(1243/5352)
90代以上 男性32.5%、女性22.3%、男女計25.6%(285/1115)
https://www.epicentro.iss.it/coronavirus/bollettino/Bollettino%20sorveglianza%20integrata%20COVID-19_19-marzo%202020.pdf
年齢別の致死率(致命率)を見てみると、やはり、「医療が限界を超えていること」が、死者数急増の最も大きな要因になっていると感じます。
あと、高齢者(特に、基礎疾患のある方)が感染することの危険性を改めて感じます。男女でもずいぶんと致死率が違うようですが、この男女差も、基礎疾患の有無などが大きく影響してるのでしょうか。困ったときに、隣国はマスクも薬も支援してくれなかった(ドイツは禁輸措置を導入し、支援要請は無視)。
病院のキャパが不足しているのは欧州の財政赤字ルールが一因。
これに加えて、ECBラガルド総裁の「イタリア国債のスプレッドなんて知ったことじゃない」発言。
緊急事態に直面してEUは結束ではなく、自国のことだけを考えてバラバラだ。
事態が沈静化した暁には、イタリアのユーロ離脱の動きが表面化するたろう。