【図解】新型コロナウイルスの生存期間
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このような数字をもとに注意をするに越したことはないかもしれませんが、論文に目を通していない方に対しては、誤解を生まないか心配です。
数字だけ切り取って図解してしまうとこうなりますが、実際のところは少々異なります。
プラスチックやステンレスで2-3日ウィルスが存続していたとはいえ、研究結果を見てみると、実際のところ8時間を境に急速にウィルス量が減っていることがわかります。これは例えば、実験環境では8時間後にウィルスを含む水滴が乾燥して減少したことを意味しているかもしれません。しかし、現実世界では、数分でその水滴は乾燥してしまうかもしれません。そうなれば、データは大きく異なってきます。
あるいは、研究で示されたエアロゾルについては、エアロゾルを維持できる特殊なドラム缶の中で測定を行なっていますが、現実世界では仮にエアロゾルが発生しても、数分後には地面に落ちていくでしょう。そうであれば、仮にウィルスが存続し続けても、エアロゾルからの感染機会は数分かもしれません。また、そもそも人の身体から放たれる痰や唾液は、研究で用いられた水滴と同質のものではありません。
このように、実験室でのデータと現実世界は解離するため、実験室のデータをまるで現実世界のデータのように示すと、誤解を与えてしまう可能性があります。
いずれにせよ、こまめな手指消毒や手洗いが大切であることに変わりはなく、このようなデータは参考程度に留めるのが良いと思います。
参考文献:https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMc2004973?query=featured_home