良品計画が70億円申告漏れ 東京国税局指摘
日本経済新聞
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移転価格税制は白黒はっきりできるものではなく、企業側が機能リスク分析をしているものの、当局側の見解とずれた場合、本件のように多額の追加納税に至るケースがあります。
したがい、APA(当局との事前確認制度)があったり、BEPSにおいて一定規模以上の企業グループは文書化が義務付けられたりしています。
大手税理士法人でも移転価格については専門の部門が設けられており、税制の中でもかなり特殊分野になりますので、海外子会社との取引が多い企業は、対岸の火事ではなく、しっかりと対策を練る必要があります。記事内にも「見解の相違」とありますが、移転価格税制って難しいです。
本件も、納得していないけれど、一旦受け入れた上で、今後も検討を重ねるのだと思いますが、明らかな所得隠しや脱税と異なり、実ビジネスから発生する海外関係法人とのやり取りの適正価格を問うもので、必ずしも国税が正しく判断できるとは限らないのではないかなぁと。
グローバルにビジネスを展開する企業は、多かれ少なかれ、この移転価格税制を意識しながら事業を運営していると思います。確かに無印良品の中国事業は高収益ですが、その根底にあるのは日本をも上回る販売価格を支えるMUJIブランドの強さであり、そこに至るまでの20年以上の時間の積み重ねです。
そのブランド力の構築・保持に日本の本社がどれくらいの貢献を果たし、それに見合う対価を得ている「べき」だったかという「移転価格」の問題は非常に難解です。
少なくとも明確な規定に無印良品が反したとか、申告漏れを企図したという類の問題ではないように思います。
日本企業の海外展開の機運を損うようなことにならないと良いのですが。