[ニューヨーク 13日 ロイター] - 米国株式市場は急反発。前日に1987年のブラックマンデー以降で最大の下げを記録したダウ平均株価<.DJI>はこの日、1985ドル高で取引を終えた。序盤から買い戻しが先行し、その後トランプ大統領が新型コロナウイルス対策で非常事態を宣言したことで買いの勢いが強まった。一方、週間では主要株価指数が軒並み8%を超える下げになった。

トランプ大統領は13日、新型コロナウイルスへの対応で国家非常事態を宣言した。トランプ氏は記者会見で「状況は悪化する可能性がある。今後8週間が重大な局面となる」とし「連邦政府の全権を解き放つために、非常事態を宣言する」と表明。さらに「新型コロナ対応に向け最大500億ドルの拠出に道を開く」と述べた。

オークブルック・インベストメンツ(イリノイ州)のピーター・ジャンコフスキス共同最高投資責任者(CIO)は「市場は当初、500億ドル相当の支援金の使途などについて懐疑的だったが、トランプ大統領とともに会見に出席した各分野のトップらが対応を説明するにつれ、市場は好感する流れになった」と述べた。

主要株価指数は2月中旬に付けた最高値から2割程度値下がりしている。民主党が多数を握る下院ではコロナ関連の景気対策法案が可決される見通しだが、上院やトランプ大統領が支持するかどうかは不透明だ。

業種別では全ての指数が上昇。金融株<.SPSY>は13.23%値上がりした。連邦準備理事会(FRB)の金融調節を担当するニューヨーク連銀は13日、総額370億ドルの国債買い入れを実施すると発表。買い入れ対象は前日の銘柄拡充に伴い、当初の短期債から中長期債にまで拡大する。連銀は国債買い入れについて、新型コロナによる「非常に特異な市場の混乱」に対応するものと説明した。

エネルギー株<.SPNY>は8.84%高。原油価格の上昇につられる格好となった。一方、原油価格は週間ベースで2008年の世界金融危機以来の下落率を記録。新型コロナの感染拡大のほか、サウジアラビアとロシアの価格競争が重しになった。

個別銘柄ではアップル<AAPL.O>が12%急騰。中国の販売店42店舗全ての営業を再開すると明らかにした。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を4.73対1の比率で上回った。ナスダックでも2.95対1で値上がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は171億株。直近20営業日の平均は130億2000万株。

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