[ストックホルム 13日 ロイター] - スウェーデン中央銀行は13日、最大で5000億クローナ(510億ドル)を同国企業に銀行を通じて融資すると発表した。新型コロナウイルスの感染が拡大する中で資金繰りを支援する。

中銀は、新型コロナは経済活動に明らかな悪影響をもたらすため、企業に十分な信用が供与されることが重要だと指摘、「こうした状況下でとられる措置は、スウェーデン企業、特に中小企業が信用供与が途絶えることはないと安心できるようにするための一種の保険とみなされるべきだ」との見解を示した。

融資は同中銀の政策金利であるレポレート(現在ゼロ%)と同水準の金利で実施され、期間は2年。

中銀は定期的に銀行による金融機関以外の企業への融資状況を点検し、各行に割り当てられた融資が企業に有益かをてチェックする。

イングベス総裁は記者団に「必要な資金を市場に流し、経済活動を下支えすることが中銀の仕事だ」とした上で、必票に応じて住宅ローン担保証券(MBS)など種々の資産買い入れや為替介入などの政策を行うと表明した。

政策金利の引き下げについては「適切であれば実施可能」とする一方、「現行のゼロ金利はすでに低い上、5000億クローナの資金供給の方がより効果的だ」とし、現時点で利下げは必要ないとの認識を示した。

スウェドバンクのエコノミスト、クヌート・ハルベルク氏は、今後、買い入れ資産の増額など量的緩和(QE)の拡大が予想される一方、利下げの公算は低いと明らかにした。

こうした中、スウェーデン金融監督庁(FSA)は13日、貸付損失が生じた場合に備えて大手銀行にそれを吸収するための資本上積みを求める仕組みであるカウンターシクリカル資本バッファー(CCyB)を引き下げると発表した。銀行の信用供与の維持を支援する。

FSAは声明でCCyBの引き下げについて「企業や家計が生産、消費、投資を維持しやすくするための、適切に機能する信用供与を守る予防的措置」だと説明した。

FSAによると、CCyBを2.5%からゼロ%に引き下げることで銀行の資本要件は約450億クローナ(46億4000万ドル)減少する。

FSAはまた、国内金融システムの耐性は満足できる水準で、銀行は収益力がある指摘した。

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