【現地発】新型コロナで移動規制。街から人が消えたイタリアの今
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注目のコメント
(他のコメントの再掲です)
イタリアは、国内初の感染者を確認してすぐに非常事態宣言を出したり、感染拡大を受けて大規模な移動制限を実施するなど、大胆な封じ込めを続けてきました。
しかし、潜伏期間が長くて軽症・無症状者が多いというウイルスの特性上、封じ込めの効果には限界があり、徹底的な検査も相まって患者数が急増しました。その結果、医療体制が維持できなくなるとともに(大胆な対策を取っている分だけ)社会的・経済的影響が深刻になっています。
日本でも当初は大胆な封じ込め(水際対策)や徹底的な検査を求める声が多くありました。しかし、日本はウイルスの特性も考慮して最終的な目標を「感染者数の最小化」ではなく「死亡者数の最小化」とし、医療体制が維持できる程度の感染拡大は許容した上で「重症化防止」を重視する現実的な対応を選択しました※。
このスタンスの違いは、限りあるリソースをどこに配分するかという政策決定に影響し、最終的に死亡率という結果に影響します。現時点の結果だけで評価することはできませんが、少なくともこれまでの日本はイタリアと比べて合理的な対応をしていると思います(最近は合理的でない政治判断が増えていますが…)。
※この観点から示されたのが「新型コロナウイルス対策の目的(基本的な考え方)」です。
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/novel_coronavirus/senmonkakaigi/sidai_r020224.pdfこのレポートをみると、恐ろしいことに、イタリアの経済活動は一瞬にして止まってしまったようです。あの陽気なイタリアの風景はどこにも見当たりません。
コロナウィルスは今後欧州を北上する恐れもあります。そうなれば、EU5億人の経済圏が機能停止になる。とんでもない事態になりました。
WHOはパンデミックと宣言。世界経済のゆくえが心配です。ちょうど1ヶ月前にミラノにいましたが、ドイツ・フランス・オランダと4ヵ国訪問する中で唯一空港で熱を測る検査官がいたのがミラノでした。その頃からなんらかの施策は取られていたと思うのですが、ここまで近い他国と比べて状況が違うという事実から、何を学び次にどう活かしていくか、ではないでしょうか。
日本もそうですが、イタリアの早い事態の収束を祈るばかりです。