【現地発】新型コロナで移動規制。街から人が消えたイタリアの今

2020/3/12

外出禁止要請を「全面順守」

イタリア中が、事態の深刻さを理解した──そう言えるだろう。
ヨーロッパで初めて、新型コロナウイルスの拡散を食い止めるべく全土での移動制限が発動され、公共の場での集まりが禁止されたその日、イタリア国民はものの見事に街中や店舗、教会、サッカー場から姿を消した。
9日月曜の晩に発表された「家にいよう」という政府の指示に、彼らはおとなしく従った。高齢者の命を救い、医療システムの崩壊を防ぐために、国民は等しく犠牲を払うべきだとジュゼッペ・コンテ首相は訴えた。
ジュゼッペ・コンテ首相(Andrea Ronchini/NurPhoto via Getty Images)
国民がそろって自宅に引きこもってもなお、新型コロナウイルス流行の最前線である北部イタリアでは、当局者たちがさらに厳格な規制を求めている。
ウイルスの拡散を食い止めるには、すべての商業活動および公共交通を停止する必要があるというのだ。
今は「断固たる対応が必要な時期」だと、ロンバルディア州知事のアッティリオ・フォンタナは言う。
ロンバルディア州はミラノを筆頭に、最も感染が深刻な都市をいくつも抱えている。同州の当局者は、約2週間に及ぶ全面規制措置を求めており、中央政府からの「一日も早い承認」を待ちわびていると、フォンタナの広報担当者は述べた。
ミラノの「ガッレリア・ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世」にて(Alessandro Grassani/The New York Times)

至るところに「検問所」