【ネスレ高岡】僕はこれから、「答えのない問題」に挑みたい

2020/3/11
その存在感は、日本支社の社長の域を明らかに超えていた。
3月末をもってネスレ日本の高岡浩三社長が退任する。2010年に社長に就任してからの約10年間で、売り上げを1.3倍、営業利益を1.9倍に成長させた。
この数字が恐ろしいのは、人口減少が続く日本国内だけでの成果だという点だ。食品企業の多くが成長を海外に求める中、日本という斜陽マーケットのみで結果を残してきた。
カプセルの定期購入などを条件にコーヒーマシンを貸し出す「ネスカフェアンバサダー」など、従来の発想にとらわれない販売手法は、業界内外から注目を浴び続けてきた。
その知名度とユニークさは、外資系企業の日本トップという肩書をはるかに超えていただろう。
37年勤めたネスレを去る今、何を思うのか。そして、胸にはどんな野望を秘めているのか。
NewsPicks編集部は高岡社長のインタビューを実現。60分間、たっぷりと語ってもらった。
高岡浩三(たかおか・こうぞう)/ネスレ日本 社長兼CEO。1983年、神戸大学卒業後、ネスレ日本に入社。ネスレコンフェクショナリーマーケティング本部長として「キットカット受験生応援キャンペーン」を成功させ、2010年から現職。2020年3月末で社長を退任予定。

新卒時から「社長」が目標