【独自8000字】失地回復へ、JDIトップが語る過去の教訓、未来
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興味深い記事ではある。かなり記者の補足により語られている部分も多い。それだけ部品メーカーはNDAでがんじがらめなので最終顧客のことは雄弁には語れない。しかし、最終顧客が基本は生殺与奪の権を握ってきたのも事実であり、今もそれは大して変わってない。白山がどうなるかすらAppleの胸先三寸ひとつというところもあるだろう。
勝ち筋が無いのは全くその通り。もはや、液晶パネルではBOE、天馬にコストで勝てないし、有機ELでも三星に勝つのは相当難しい。残念ながら、なんと昔から有機ELで技術蓄積してきた日本のディスプレイ専業企業なのに技術の蓄積が無い。東芝も日立も技術開発を諦め、ソニーに至っては液晶パネル事業は譲渡したが、虎の子のスーパートップエミッション有機ELパネルの技術は渡さなかったのだ。このことはもっと語られてもいいはずだが、意外と指摘する人はいない。ソニーの技術は結局自社の放送局向けパネルにのみ活用されている。
LGもBOEも今のところ、スマホ向けは低歩留りでうまくいっていない。勿論Appleはマルチサプライヤーにしたいはずだが、今のところiPhone向けでJDIには打順は回ってきていない。iPhone向けディスプレイは今のところ、4社購買になったことはない。
いちごが出てきたおかげで救われたところもあるが、むしろ逆に清算できなかったとも言える。明日にでも閉めた方がいい工場は白山以外にもまだある。鳥取、東浦だ。勿論そこでしか出来ない仕事もあるが、液晶パネルの仕事はそういうことではない。量を追いかけなかったとしても限られた条件下では効率勝負、コスト勝負の世界である。
反省についてはもう少しはっきりとして欲しい。具体的には関与していた経営陣が誰か、社員は寝覚も悪いだろう。なにせ税金投入された国策企業なのに粉飾した上にその後に関わった人が死んでる。詳しい調査結果は早く開示してもらいたい。この反省無くして再出発無しだろう。多くの読者の方からもご関心をいただいているジャパンディスプレイ。菊岡社長が、ロングインタビューに応じてくださいました。
多くの方が気になっているであろう
・有機ELスマホが増え、液晶が消滅する懸念はないのか
・経営危機の元凶と言われる、白山工場を巡るシャープとの交渉
・白山工場をはじめ、過去の失敗からの決別
・元社員の自殺など、昨年末からの一連の出来事
・JDIはどんな企業を目指しているのか
といった疑問に答えてくれます。
これまでも菊岡社長のインタビューはありますが、今回、NewsPicksのオリジナル記事として、JDIの「懸念・課題」、「残された強み・将来性」の双方について、
・できるかぎり網羅的に
・できる限り50:50と公正な内容に
そう心掛けました。
まだまだ課題が山積みの同社ですが、等身大のJDIを読み解くことで、広く産業界の参考になれば幸いです。おっしゃっていることはその通りだし、今の状態のなかで誠実な受け答えをされている印象。一方でずっとこの産業を見てきた身からすると、難しいし、勝ち筋が見えない。勝ち筋が見える方が誰もいないのではないかと思っているくらいで、だからいちごの出資は個人的には相当に意外だったし注目している。
ただ例えばOLED化が1プレイヤーしかいなくてメリデメあるから思ったほど進まない、と言われながらここまで進んできた(トップモデルしか普及しなかったが、それでもSamsung以外でここまで広がるとOLED搭載の動きが出たころには想定もされていなかったと思う)。
液晶もOLEDもあると、体力でも厳しいし、他社はずっと長く量産含めた経験を積んでいる。ゲームチェンジャーとなる技術で一気に情勢が変わることもあるが、量産における経験値の差は現実としては大きい。
日東電工でのご経験について話されているが、日東電工が偏光パネルでトップシェアだったり、液晶メーカーとしてもRoll to Rollの設備を自社工場に入れるメリットがあるからできた戦略もあったと思う。パネル業界は部品として完成させるのが基本線で、その違いがある中で設備投資を大きく負わずに事業を伸ばせる事業形態にできるのか。あとはOEMという文脈では、技術協力が背景で半導体・液晶の技術が韓国などに流れていった過去の歴史もある…