【GMO熊谷】僕が、超速「4000人リモート化」で掴んだ秘訣

2020/3/10
「明日から会社の9割の従業員を、在宅勤務とする」
GMOインターネットグループが、この判断を下したのは、1カ月以上も前の1月26日のことだった。しかも、国内社員4650人(世界では6000人)のうち、対象者は4000人。
突如、日本に登場した前人未到の「巨大リモートワーク企業」ともいえる。
なぜ、コロナウイルス拡大の兆候が見えてきた1月のタイミングで、GMOほどの大企業がこれほど圧倒的なスピードの決断ができたのか。そして、すでにリモート導入から1カ月半が経過するなかで、いかなる成果が見えてきているのだろうか。
「これは、将来の組織のあり方を見るための壮大な社会実験なのです」
NewsPicks編集部は、こう話す熊谷正寿社長へのインタビューを敢行。そのドラスティックな決断の背景と、知られざる成果について直撃した。
熊谷 正寿(くまがい まさとし)1963年7月17日長野県生まれ。GMOインターネット株式会社 代表取締役会長兼社長・グループ代表。1991年、株式会社ボイスメディア(現・GMOインターネット)を設立。1995年にインターネット事業を開始し、1999年に株式上場。

在宅でも業績は全く変わらない

──GMOがリモートワークの指令を出して1カ月以上が経ちました。何が、見えてきましたか。
熊谷 まず、驚かれるかもしれませんが、業績には全く影響がありません