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安倍首相主導で対策連発 「後手」批判意識、現場に混乱―新型コロナ

時事ドットコム
新型コロナウイルス感染の広がりに安倍晋三首相が新たな対策を連発している。大規模イベント自粛や全国の小中高校などの休校要請に続き、5日には中韓両国などからの入国規制強化を表明。野党に「対応が後手に回った」と批判されていることを意識し、首相主導をアピールする狙いとみられるが、説明不足で現場の混乱も招いている。 「諸外国で感染が拡大する中、今が正念場だ。今般、積極果断な措置を講じることにした」。5...
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現場の混乱や周章狼狽ぶりが目に浮かぶようだ。あちこちから恨み節も聞こえてくる。

「なんで安倍さんはこんなことを言うんだよ。命じられる立場になってみろ。何をどうやってやれと言うんだ。現場で働いたことのないボンボンだから、そんなことを平気で言えるんだ」

そうした安倍首相に対する怨嗟の声を聞きながら、私が静岡県の危機管理に関わるようになった2012年6月のことを思い出している。

危機管理部の幹部を集め、「明日、指定されている津波避難施設を見に行く」と言ったら、危機管理監から「急に仰られても」と返ってきたのだ。

私は厳しく指摘した。「大災害は急に来るんじゃないのか!」

大災害は奇襲攻撃のようなものだ。それに備え、被害を局限し、人命を守り、復興につなげるのが危機管理だからである。

私は平時の組織である行政と、有事に備えて訓練している自衛隊との文化の違いを説明するハメになった。

自衛隊が実施している訓練で、行政が経験することのないもののひとつに「決心」がある。瞬時の意思決定である。

例えば、敵と対峙している部隊に対して、腹背に敵が出現したという状況が与えられる。「3時(東側)の方向、敵歩兵100,戦車4両。中隊長、決心!」という具合だ。正面突破か、迂回攻撃か、それとも退却か。最も適切と思える判断を求められる。

そうした訓練に耐えながら、自衛隊の有事即応能力は維持されている。だから大規模災害への迅速な投入も可能になる。

自衛隊の現場だって文句は出る。しかし、即応しなければ自分の家族も含めて国民の生命が危うくなるから、できる限りのことをやる。

上級指揮官になるほど独断せざるを得ない場合が少なくない。唐突で場当たりの連続が臨機応変というものだ。政府の頂点に立つ首相が孤独のうちに決断を迫られるのは、いわば必然でもある。

今回の新型肺炎で、政府の危機管理に問われていることのひとつは、即応能力に関する理解の欠如と「決心」という訓練の不在ではないかと痛感させられている。
「丁寧な説明」の問題じゃない。首相と今井尚哉首相補佐官の科学的根拠のない独断そこが問題。「首相主導」を、独裁と勘違いしている。
韓国、イタリア、ニューヨーク、日本国内の一部での感染者数の急増を考えると、拡散は収束する気配がない。いまが勝負であり、人の移動を制限する措置を首相主導で発出するほかない。