"The household secondary attack rate was 15%, and children were as likely to be infected as adults. The observed reproductive number was 0.4, with a mean serial interval of 6.3 days."
80+ years old 14.8% 70-79 years old 8.0% 60-69 years old 3.6% 50-59 years old 1.3% 40-49 years old 0.4% 30-39 years old 0.2% 20-29 years old 0.2% 10-19 years old 0.2% 0-9 years old no fatalities
要約すると、中国の特定地域における「濃厚接触者」の観察および検査結果の解析から、成人と子供で二次感染を起こした確率に大きな差がなかったことを指摘しています。
ただし、本論文は、preprintであり、peer review(第三者によるチェック)が行われていないことに注意が必要です。また、中国の限られた地域の限られた集団でのデータであり、生活スタイルなどに違いのある他国でも本当に当てはめられるのかといった点にも注意が必要です。
著者らはさらに、感染した子供が実際に感染拡大に大きく寄与しているかどうかまで示した研究ではなく、それは別途解析される必要があり、学級閉鎖の有効性も「明らかではない」と述べています。
論文の全ての内容を短い記事で紹介するわけにもいかず、情報の切り抜きになってしまうことには理解もできますが、研究の限界が示されず、論文の一部が切り取られて誤解を生むことに懸念もあります。
一つの研究が、「真実」を導くわけではありません。いくつもの研究結果が合わさって初めて、真実に近づくのです。
このような記事では、せめて引用文献が示されると良いと思います。こちらの記事では、その役割を私がさせていただこうと思います。
引用文献1(元論文):https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2020.03.03.20028423v1.full.pdf
引用文献2(Nature):https://www.nature.com/articles/d41586-020-00154-w
この記事、特にタイトルから安易に、『子どもも同じくらい感染する→子どもを守らないと→やっぱり休校大事、イベントも中止』という発想に(マスコミが)ならないように。
むしろ逆で、子どもはかかっても軽くすむわけで、子どもたちが行動制限を強いられているのは、子どもを守るためではなく、あくまで、重症化ハイリスクの方々を守るため、としか解釈できないですが、そもそもその意義も明らかではないです。
WHOと中国の研究チームの報告で、中国での感染の約8割は家庭内、という報告があり、だから子どもや若者はあまり出歩かないように、といった論調のメディアを見かけましたが、
核家族がほとんどの日本とは生活スタイルも違うでしょうし、そのまま日本に当てはめられるわけではないです。
風邪気味なのに出歩く大人が広めてる率の方が高そうですが。
"The household secondary attack rate was 15%, and children were as likely to be infected as adults. The observed reproductive number was 0.4, with a mean serial interval of 6.3 days."
インフルエンザなら、大人になれば罹患率がかなり下がるので、そこが違いますね。ただどちらのウイルスも高齢者が感染すると致死率が高いというのは変わらず。
https://influ-info.jp/sp/basic/threat2.html
危機管理において、常に最悪な状況を想定しないといけません。結果としての数値はあくまでその時点までの傾向を示すだけで科学的根拠は何処にもありませんから、常に想像力を高めて対策を検討すべきだと思います。
不思議なウィルスだ。
元論文の子供に関する記述は以下の通り
- children are at similar risk of infection as the general population, though less likely to have severe symptoms.
しかしデータを見れば判るように
- 50歳以上の感染率は 12%
- 50歳未満の感染率は 6%
高齢者の感染率は2倍
また重症者の割合は40歳未満がほぼゼロなのに対して40歳以上は10%を超えている
https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2020.03.03.20028423v1.full.pdf#page=12
つまり「大人」と一括りにするのは間違いで高齢者と若年者ではリスクに大きな違いがある
致死率は
- 10 歳未満の子供がゼロ
- 10-39 歳が 0.2%
- 80 歳以上は 14.8%
80+ years old 14.8%
70-79 years old 8.0%
60-69 years old 3.6%
50-59 years old 1.3%
40-49 years old 0.4%
30-39 years old 0.2%
20-29 years old 0.2%
10-19 years old 0.2%
0-9 years old no fatalities
https://www.worldometers.info/coronavirus/coronavirus-age-sex-demographics/