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【赤字転落】DeNA、世にも不思議な「会計処理」の謎

NewsPicks編集部
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  • 島村修平会計事務所 代表(公認会計士/税理士)

    昨日の前半の記事で相当期待が膨らんだ後半ですが、この当時のDeNAの減損に対する意識、監査法人とのやり取りを含め期待に応えていただけた記事でした。

    本記事のポイントは以下の2点と考えます。

    1.のれんの償却
    日本基準は20年以下で償却、IFRSは償却は無く、減損テストに引っかかったタイミングで一気に減損する。
    DeNAは移行期間である2011年4月より日本基準からIFRSに会計基準を変更したため、償却は一度も行われなかった。

    2.のれんの減損(グルーピング)
    のれんの減損は会社単位ではなく、キャッシュフローを生み出すグルーピング単位で行う。
    ngmoco清算時、DeNA社内では減損を行うべきという意見が主流だったが、グルーピング単位が"全世界"のゲーム事業となっており、当時日本のゲーム事業が好調だったため、新日本監査法人との協議でゲーム事業の減損を見送った。
    安易なグルーピングの変更は今後の利益操作に繋がるおそれがあるからと、結局行われなかった。

    そして2020年3月期の第3四半期という何とも微妙なタイミングで減損処理が実施されたわけです。

    会計士として遭遇するケースでは、会社側は何とかして減損を回避できないものかと考え、監査法人側は減損を行うように進言するといったものが多いですが、今回はその逆ということになります。

    したがい、この記事にも記載がある通り、グルーピングの変更をなぜ行わなかったのか、そしてそれを監査法人の指導のもと行わなかった、という点が凄く引っかかります。(奇しくも当時新日本監査法人が監査をしていた東芝の不正(半導体事業の減損)に対する行政処分が2015年12月であるにもかかわらず・・・)

    結果、個人としては、「会社と監査法人側の協議内容の深層」といった点について新たに疑問が生じましたが、またどこかの機会でこの疑問点が解消できることを願っております。

    最後に、「のれん」とは教科書的には「超過収益力」と解されており、どうしても無機質なイメージがありますが、個人的には、新規投資事業への「期待値」とも思っており、とても血の通った勘定科目です。決算書をご覧になるときはそういったドラマをイメージすると面白さが増えるかと思います。


  • シニフィアン株式会社 共同代表

    記事中に、「DeNA内部では、ここできちんと減損を出して、まっとうに評価された方がいいという意見の方が多かった」ということが触れられていますが、これについてファクトベースで説明します。

    ・2015.5.12:単体決算における海外子会社株式評価損551億円の計上(および連結決算における減損損失の不認識)の開示
    https://ssl4.eir-parts.net/doc/2432/tdnet/1241990/00.pdf
     →この時点で、海外事業が難しい状況にあり、また金額規模としてどのぐらいのインパクトがあるかというのを公表しています。
      それがなぜ連結会計ではあらわれないのかも説明しています
    ・2016.10.18:海外子会社の解散および清算に関する開示
    https://ssl4.eir-parts.net/doc/2432/tdnet/1407453/00.pdf
     →ここで改めて、清算を行うものの、連結会計では減損不認識であることを説明しています

    まとめますと、
    ①海外事業がうまくいっていない(&会社も精算した)
    ②それによって500億円規模の損失インパクトが発生する
    ③単体(J-GAAP)ではそのインパクトは現出するが、CGUで判定する連結会計では現出しない
    というのは一貫して公表しています。
    投資家にとって一番重要な①と②を既に公表しているので、「IFRSを巧みに使ってなんとしても減損を回避しよう!」などということをするインセンティブがそもそもありませんでした。
    むしろ、当時前例のほぼないIFRSのこうした会計処理を説明するのに難儀するので、どうやってきちんと理解してもらうか苦心していた、というのが実態です。


    <ここからちょっと会計の話に入り込みます>
    IFRSの資金生成単位(CGU)について補足します。

    Newspicksのコメントで大内さんが書かれている通り、IAS36.72には下記のように書いてあります。

    「資金生成単位は、変更が正当化されない限り、同一の資産または資産の種類に対して、各期間にわたり継続的に識別しなければならない」

    (ここから先が長すぎてコメント投稿できなかったのでFB側に上げています)
    https://www.facebook.com/okamocha/posts/3448533578496214


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    SmartNews Inc. 取締役CSO

    会計の仕組みそのものに関しては既に小林さんや他の方々が専門的意見を書かれているので書きませんが、ゲーム事業についていくつか。
    DeNA個社事情は立場上控えますが、マーケット全体に関して。

    まず、ここ10年のスマホシフトは、その裏でインターネット産業におけるとても大きな地政学的なシフトを内包する変化でした。

    ゲーム市場で言うと、2011年ぐらいまでにほぼゼロだった中国のモバイルゲーム市場が2位に2倍以上の差をつける圧倒的世界No.1マーケットになりました。
    そしてゲーム全体(PCやコンソール含む)でも中国がNo.1になり、そして2010年台後半はテンセントを始め、彼らが世界へ投資を強化した時代でもありました。
    欧米を中心に大ヒットを記録しているFortniteを作っているEpic Gamesなども49%がテンセント資本です。

    同時に、スマホマーケットの登場は、世界のゲーム市場(に関わらずだと思いますが)を近づける作用と、インターネット産業とゲーム産業の密結合化を進めました。
    その中で、それまでのゲーム産業の力関係や世界マーケットへのマーケットインのタイミングなど、多くの事が起こり、そして今、ゲーム王国だった日本は岐路に立たされています。
    5Gが始まりつつある今、Googleなどのプレイヤーもクラウドゲーミングでこの市場に参入しつつあります。


    元々そこまで見据えたグローバル化ではなかったと思いますが、実はDeNAのチャレンジは今のマーケット状況から考えると戦略的には非常に正しかったと思います。Howに関しては色んな反省点はありますが、企業のCash全体に占める割合的な観点でも、正しいチャレンジだったと思います。今後もゲーム事業をやり続ける限り、グローバルでどう勝つかはNice to haveではなくMustでしょう。


    一歩引いて考えると、実はここで起きていることとというのはどの産業でも起きていることです。
    これはある意味でのデジタル化(インターネット化)とそれに伴うグローバル化、アジアの勃興という地政学的な変化の典型的な一つの動きです。

    そういう意味でも、このケースは是非多くの人に知っていただき、日本社会全体の糧になればと思います。


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