[シドニー 5日 ロイター] - オーストラリアのモリソン首相は5日、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け、韓国からの旅行者の入国を禁止するとともに、イタリアからの旅行者へのスクリーニング検査を強化する方針を明らかにした。

中国本土とイランからの旅行者への入国禁止措置も延長する。

モリソン首相は、キャンベラで記者団に対し「最善の予防策で、感染ペースを鈍化させることが可能になる」と語った。

オーストラリアは新型ウイルスの感染拡大阻止に向け、最も早い段階で徹底した対策を打ち出した国の1つ。中国本土からの外国人の入国は1カ月以上前から制限している。

今回の追加措置により、過去2週間以内に中国、イラン、韓国に滞在していた外国人はオーストラリアへの入国を拒否される。

オーストラリア国民および居住者は対象外となるが、帰国後2週間にわたる自主隔離を義務付けられる。

モリソン首相は、入国禁止措置は1週間ごとに見直すと述べた。

オーストラリアでは、これまでに54人の感染が確認されている。大多数の患者は海外で感染し、治療のため帰国した。

ただ、少なくとも5人は国内で感染しており、今後感染が急速に拡大するのではないかとの懸念が浮上している。感染者には生後8カ月の男児も含まれており、イランから帰国した母親との接触で感染したとみられている。

入国禁止措置はオーストラリア経済の重しとなる見通し。

豪財務省は5日、新型コロナウイルスの感染拡大により、2020年第1・四半期の国内経済成長率が少なくとも0.5%ポイント下押しされるとの見通しを示した。

*内容を追加します。