[東京 4日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は4日、参議院予算委員会で、新型コロナウイルスの感染拡大が長期化することで、実体経済への影響が大きくなる可能性を十分認識しておく必要があると指摘。経済や金融市場の動向を注視し、「必要に応じて適切な対応を取っていきたい」と述べた。森ゆうこ委員(立憲・国民、新緑風会・社民)への答弁。

黒田総裁は「現時点で定量的な評価は難しいが、すでに影響は見られている」とし、中国からの訪日客が大きく減り、大手百貨店の売り上げが前年比で、かなりマイナスになっているとの認識を示した。

また「1―3月期は自然災害による下押し圧力が薄れるので、(19年10―12月期に比べて経済が)回復すると考えていたが、新型コロナウイルスの感染拡大でインバウンド消費や輸出などに影響が出てきている」と指摘。「今後さらに長引けば、生産活動などにも影響が出てくる。中国経済のプレゼンスが大きいことや消費者マインドへの波及のリスクなどを考えると、影響が大きくなる可能性は十分に意識しておく必要がある」と話した。

(和田崇彦)