(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は2日、新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大する中で、景気下支えのために行動する用意を明らかにした。

ラガルド総裁はECBのウェブサイトに掲載された声明で、「ECBは状況の進展と景気および中期的なインフレ、金融政策効果の波及にそれが及ぼす影響を注意深く見守っているところだ。われわれは、必要かつ潜在的リスクに見合う形で、適切で的を絞った対応策を行う用意がある」と表明した。

同総裁は、新型ウイルスの感染拡大について、「経済見通しと金融市場の機能に対しリスクを生じさせる進行の速い状況」と指摘し、2月28日のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の声明、3月2日の日本銀行の黒田東彦総裁の談話およびイングランド銀行(英中央銀行)のコメントと同様の認識を示した。

政策委員会の次回決定を12日に控えてラガルド総裁が出した声明は、既に製造業不況に直面し、米国および英国との貿易摩擦のリスクも抱えるユーロ圏経済が、新型ウイルス感染拡大でさらに打撃を受けるとの不安の高まりを反映するものだ。

事情に詳しい複数の関係者によれば、主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁は、新型ウイルス感染拡大に伴う経済的脅威への対応を協議するため、3日に電話会議を開く。各国・地域の中銀による一連の利下げを含むような協調行動の前触れになる可能性もある。

ECBは12日の政策委で中銀預金金利を現行のマイナス0.5%から過去最低のマイナス0.6%に引き下げ、さらに年内に同幅の追加利下げを行う可能性が高いとの観測が、既に投資家の間で広がっている。

“The ECB is closely monitoring developments and their implications for the economy, medium-term inflation and the transmission of our monetary policy. We stand ready to take appropriate and targeted measures, as necessary and commensurate with the underlying risks.”

-- ECB President Christine Lagarde

原題:ECB Joins Central Banks Pledging Coronavirus Action If Needed(抜粋)

(第3段落以降に声明の内容などを追加して更新します)

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