[バグダッド 1日 ロイター] - イラクの首相候補に指名されていたムハンマド・アラウィ氏が1日、首相候補を辞退すると表明した。自身が提示した閣僚人事が国会で繰り返し否決されたことを受けたもので、政治的空白が長引く可能性が出てきた。

国営通信社によると、サレハ大統領は15日以内に新たな首相候補を指名するための協議を開始する。ただ、首相を辞めた後も暫定首相を務めているアブドルマハディ氏が2日に辞任した場合、首相不在の状況に陥る可能性もある。

アブドルマハディ氏は1日遅くに声明で、自身が首相続投を望んでいるとするソーシャルメディア上の情報を否定し、2日に方針を発表すると述べた。

サレハ大統領は、アブドルマハディ氏が反政府デモの拡大を受けて11月に辞任した後、対立する政党が後任を選出できない状況が2カ月続いたため、アラウィ氏を指名。同氏は1カ月以内に政権を発足する必要があった。

医療関係者や警察の情報に基づくロイターの集計によると、10月に始まった反政府デモではこれまでに約500人が死亡している。