[フランクフルト 28日 ロイター] - ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)<VOWG_p.DE>は28日、2019年の通期営業利益が22%増の169億ユーロ(185億ドル)になったと発表した。利益率が高い自動車の販売が堅調だったほか、ディーゼル車の排ガス不正に伴う罰金などの費用が低下した。

VWは利益率の高いスポーツ用多目的車(SUV)の販売を強化しており、乗用車の販売に占めるSUVの割合は2018年の25%未満から40%に上昇。一方、排ガス不正に関連する費用は前年の32億ユーロから23億ユーロに減少した。

好決算を受け、普通株1株当たりの配当金を18年の4.8ユーロから6.5ユーロに、優先株1株当たりの配当金を4.86ユーロから6.56ユーロに引き上げた。

20年の自動車出荷台数は前年並みとした。

ノルトLBのアナリスト、フランク・シュウォープ氏は「排ガス不正関連費用の減少はポジティブだが、新型コロナウイルスに伴う中国での販売の落ち込みを考慮すると、会社側の見通しが維持できるとは思えない」と述べた。

19年の出荷台数は1.3%増の1097万台。貿易摩擦によりアジアや米国での販売は減少したが、欧州や南米が好調だった。

ほぼ全地域で市場シェアが上昇したことも営業増益に寄与した。

特殊要因を除く20年の売上高営業利益率予想は6.5─7.5%としたが、地政学的な気候や新型コロナウイルスの感染拡大など外部要因によって変動するとした。