[東京 28日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は5日続落。新型コロナウイルスによる肺炎の世界的な拡大懸念が一段と広がり、朝方から幅広い銘柄で売りが先行した。世界的な株安が嫌気されたほか、為替のドル/円も109円を割り込み、日経平均は急落。一時2万1000円割れとなり、2019年9月5日以来の安値水準を付けた。東証1部の売買代金は4兆円1288億円まで膨れ上がり、2018年5月以来の水準となった。

27日の米国株式市場は、主要3株価指数がいずれも下げた。ダウは1100ドルを超える下落となり、過去最大の下げ幅を記録した。米株式投資家の不安心理の度合いを示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(VIX指数)<.VIX>は11.60上昇し、2018年2月以来の高水準となる39.16で終了した。

日経平均は米国株安を嫌気し、430円安でスタート。その後も下げ幅を拡大し、一時1031円83円安の2万0916円40銭の安値を付けた。

新型ウイルスの感染拡大で、経済成長を巡る懸念が強まっている。

国内では、安倍晋三首相が全国すべての小中高校、特別支援学校に臨時休校を要請したことなどで経済への影響が懸念されている。そのほか、韓国の総合株価指数(KOSPI)、香港ハンセン株価指数、上海総合指数などのアジア株がそろって大幅安になったことや為替の円高が嫌気された。引けではやや下げ幅を縮小し、805円27銭の2万1142円96銭で取引を終えた。

TOPIXも5日続落。東証33業種全てが値下がり。値下がり率上位には不動産業、情報・通信業、水産・農林業、金属製品、電気機器などが入った。

市場では「2万0700円─2万0800円の水準はPBR1倍前後で、ファンダメンタルズが極端に悪化でもしない限り、それを大きく下回るとは考えにくい。これまでの急落相場がそうだったように、大幅な値幅調整の後は、きっかけひとつで劇的に戻る可能性があることも売りにくい印象を与える」(東海東京調査センター・シニアストラテジストの中村貴司氏)との声が出ていた。

波乱相場が続く中、ベア型のETFが活況。NF日経レバ連動型上場投信<1570.T>、NF日経平均ダブルインバース<1357.T>は売買代金でそれぞれ1、2位となった。個別株に見切りを付けた個人投資家の値幅取り狙いの資金を誘いこんでいるという。そのほか個別では、サンドラッグ<9989.T>、薬王堂ホールディングス<7679.T>、ツルハホールディングス<3391.T>などのドラッグストア関連が買われた。

東証1部の騰落数は、値上がり35銘柄に対し、値下がりが2122銘柄、変わらずが4銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値      21142.96 -805.27

寄り付き    21518.01

安値/高値   20,916.40─21,528.13

TOPIX<.TOPX>

終値       1510.87 -57.19

寄り付き     1537.61

安値/高値    1,500.87─1,538.54

東証出来高(万株) 242087

東証売買代金(億円) 41288.89