【高原豪久】ユニ・チャーム社長が実践する沈思黙考とOODA

2020/4/30

トップの時間の使い方

グローバル企業のトップは、どんな時間の使い方をしているのか。人一倍多忙を極めるからこそ取捨選択がポイントとなる。
自分の耳目で得た「一次情報」を大切にするユニ・チャームの高原豪久社長に、1週間の「時間割」を作成してもらい、その詳細をインタビューしたのは2月19日。当時、新型コロナウイルスの国内感染者数は73人、死者1人の段階で、新型コロナの脅威が身近に迫ってはいたものの、まだ「平時」のムードが漂っていた。
それから8日後の2月27日、同社は感染拡大のスピードを抑制するため、いち早く国内従業員の6割以上を原則出社禁止にした。現在も原則在宅勤務で、緊急事態宣言が解除されるまで延長するという。
高原社長の状況判断、意思決定、行動がスピーディーなのはなぜなのか。
日本衛生材料工業連合会(日衛連)の会長を務める高原社長は今、政府からの緊急要請を受けて、ユニ・チャームが扱っているマスクやウェットティッシュ、おむつの増産に対応している。
時間の使い方は「平時」と何が変わり、また「コロナ禍」でも変わらない「重要なこと」は何か。
「平時」の「時間割」とインタビューに、4月現在の【コロナ禍の変化】を追記して公開する。
4月16日、安倍首相とオンライン会議をする高原社長(写真提供:ユニ・チャーム)

凡事徹底が非凡を生む

──1週間毎日22時就寝、5時起床。毎朝6時半の出社で、ほぼ毎晩会食。規則正しくスキマ時間がなく「こんなスケジュールを毎週こなされているのか!」と思いました。
2001年から社長業をやっていて、20年近くこのスケジュールです。
もともとは大雑把で、几帳面な性格だったわけではありません。当たり前のことでも継続してやっているとだんだん力がついてきて、やがて大きな飛躍につながるという実感があったからです。
社内では「凡事徹底が非凡を生む」という言い方をしています。