マレーシア、首相選出へ 3月に下院招集、解散総選挙も
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実は、国会で首相を選出するのはマレーシア史上初めてのことです。議院内閣制ではありますが、憲法で国家元首(世襲の君主)が議会の多数派の代表を首相に任命することになっています。総選挙はあったも、その後に国会で首班指名投票を行うことはこれまでありませんでした。
1957年の独立以来、総選挙で与党が替わることはなかったので、あまり問題はありませんでした。むしろ与党の総裁選の方が重要で、実質的にはそこが首相を決める場になり、札束が乱れ飛んできました。55年体制下の自民党のようなものです。
近年与野党が伯仲し、2018年の総選挙で初めて与野党が逆転しました。政権交代を果たしたマハティール首相の新しい連立与党も、しかし、内部分裂を起こし、多数ある政党が別々に首相候補を立てるに至り、どの政党が多数派で誰が国会の多数派の支持を得ているとはいえない状況になりました。
国家元首はこの事態を受けて議会の投票に首相の選出を委ねました。4日間のあいだに合従連衡が試みられ、まとまらなければ総選挙になります。