[フランクフルト 27日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)が27日に公表したデータによると、1月のユーロ圏の企業向け融資が2年ぶりの低い伸びとなる一方、家計向け融資の伸び率は金融危機後の最高を記録した。

世界的な貿易摩擦と製造業の低迷がユーロ圏の輸出を圧迫する中、サービスと消費支出は底堅く、ユーロ圏経済の下支え役となっている。

ECBは企業向けの貸し出し拡大に向けてさまざまな刺激策を講じてきたが、対企業融資は昨年は大半の期間にわたって伸びが鈍化、今年1月の伸び率は昨年12月から横ばいの前年同月比3.2%となった。

企業向け融資はドイツで伸びが鈍化。イタリアやフランス、スペインでは改善がみられた。ドイツの企業向け融資の伸び率(調整前)は6.5%から5.6%に鈍化した。イタリアは4.5%減だったが、昨年12月の5.3%減と比べると回復した。

ユーロ圏の家計向け融資は12月の3.6%増から3.7%増へと増加ペースが加速し、2008年12月以来の高い伸びとなった。家計向け融資はここ5年にわたり、ほぼ一貫して伸びの加速が続いている。

マネーサプライM3の伸び率は前年同月比5.2%で、12月の4.9%を上回った。ロイターがまとめた予想は5.3%だった。