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経済ニュースを「数字」でつかむNewsPicks編集部オリジナル連載。NewsPicksが注目する企業の決算・会計から、マーケットの話題、投資まで。様々なテーマを「キーナンバー」で読み解くことで、ビジネスパーソンに必須の「数字感覚」を養おう。
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43.1 兆円
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市場シェア・ブランド共に盤石に見えますが、仮に死角があるとすれば、Revenue Growthが20%を切るタイミングやSaaSビジネスのFinancialに対しての市場の評価が下がった時かと思います。営業マーケティングに占める比率の高さが際立っているという事は、それだけの人材を採用・リテンションする事が最大の肝という事であり、salesforceに限らずRSU(制限付き株式)の付与がその大きな役割を担っています。株価上昇局面では大変魅力的ですが、下降局面ではそれがなくなります。その時に耐えられる体力があるかどうかが、salesforceに限らず、B2B SaaS (B2Cと違い、営業を増やして売上を上げるモデル)企業の分かれ道だと思います。
Salesforce自体がそれを警鐘するために、SaaS企業向けのガイドを出している。
SaaSスター卜アップ 創業者向けガイド
https://www.salesforce.com/content/dam/web/ja_jp/www/documents/ebook/saas-founders-guide_JP-vol2.pdf
シリコンバレーでは、Product Led Growthという口コミで爆発的に成長するサービスが話題になっておりますが、セールスフォースは全くの逆で営業が一件ずつ売るモデル。
利益率が低いのは、営業を多く抱えているから。
ただしその営業は営業の仕組みと型を理解してガンガン売ってくれる頼もしい存在です。
これだけ買収を行っているからか、MA後の企業の受け入れ仕組み作りと運用を担当する部署Post Merger部隊があります。
営業も買収もモデルを作ったセールスフォース。社長マークベニオフの誠実さに加え、型を作って取り込んでいく企業文化から、売上成長率を維持して市場からの評価をキープし続けるように思います。
「1999年の創業から20年以上が経ち、売上高は今や2兆円近くに達したが、いまだに急成長を続けている」
「売上高は、前年度から28.7%増加して、170億9800万ドル(約1兆8800億円)に達した」
一見、参考にできないほどの規模の大きさですが、SaaSの代表格として、コミュニティをBtoBに活用する先行事例として、学ぶことばかり。
もっと詳しく知りたい企業です。
「「全体の約7割が、①営業支援の「Sales Cloud(セールスクラウド)」、②カスタマーサポート向けの「Service Cloud(サービスクラウド)」、③デジタルマーケティングの「Marketing Cloud(マーケティングクラウド)」──のSaaS型アプリケーション分野だ」」
これでPLベースでは6%の差になる一方、時価総額に対してはSalesforceのほうが「効率的」となる。ただ、逆回転すると人財流出につながるということ。米国の成長企業はこの比率がこうやってPLベースでは極めて大きいことが多いので、日本企業などと比較するときは注意が必要。
そして、株式報酬費用のうち半分弱が営業、1/3弱がR&D向け。ここから人員構成=企業の競争力の源泉として投資している部門が分かる。SaaSは継続利用を前提としているので、顧客を得てカスタマーサクセスをして、そのために継続的に製品を良くしていく。その循環が回っているから利益率が低くても営業に力を入れられる。ただ、景気が悪くなるとこれまでとは違う解約率も出てくるだろうから、Salesforceほどになればともかく、新興SaaSで営業に力を入れ過ぎて固定費が膨らんでキャッシュアウトをファイナンシングで担保しているような企業では、幾つか潰れるところ(あとはそういった企業のキャッシュ創出企業による買収)もあると思っている。
ちなみにSalesforceのティッカーは「CRM」。まだ「SAAS」というティッカーの米国企業はないんだよなぁ。
"クラウドサービス市場の勝者になれるのか〜中略〜グーグルに買収されて同社のクラウド部門となるのか"
セールスフォース・ドットコム独自のモデルから生まれた「カスタマーサクセス」
https://www.pr-table.com/salesforcecom/stories/20928
売上の伸長スピードは何とも強力です。買収企業のサービスをオリジナルのサービスとシームレスな構造に再構築できた後は、恐らく利益率も大幅に上がってくるのではないだろうか。