[東京 26日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均株価は、続落。引き続き新型コロナウイルスの感染拡大と、その経済に及ぼす影響が懸念され、前日の立ち会い中の安値を下回った。ただ、米国株先物が買い戻されたほか、上海株式市場が落ち着いた動きになったことから、後半は下げ渋った。東証1部売買代金は前日に続き3兆円を超えた。

25日の米国株市場は4日続落。欧州各国で新型ウイルスの感染者が確認され、米疾病対策センター(CDC)も米国内に警戒を促すなど、世界的な大流行への不安が高まったことを映し、ダウ工業株30種とS&P総合500種は3%安の大幅下落となった。

米株式投資家の不安心理の度合いを示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(VIX指数)<.VIX>は27.85で終了。一時は2018年12月以降で初めて30を超えた。

これを受けて、東京株式市場も幅広く売られて始まったものの、後半は時間外取引で米株先物が買い戻されるにつれ、日本株も後半は戻り歩調。テクニカル面で日経平均が、昨年8月6日の安値2万0110円76銭から1月17日高値2万4115円95銭まで上昇した幅の半値押しの水準(2万2113円35銭)を、割り込まなかったことも注目された。

日銀によるETF(上場投資信託)買いも下支え要因になったとの見方も出ていたほか、実需の押し目買いが入ったとの観測もある。市場では「いつ新型コロナウイルスを材料にした調整が終わるか定かではないものの、長期的に上昇が続くと想定すれば買い場になるとの見方もあるようだ」(岡地証券・投資情報室長の森裕恭氏)との声も聞かれた。

TOPIXも続落した。東証1部の売買代金は3兆0096億9100万円。東証33業種では、前日に続いて全業種が値下がりした。

個別では、トヨタ自動車<7203.T>、ソニー<6758.T>など主力の輸出関連株に安くなる銘柄が目立つ中で、キヤノン<7751.T>が逆行高。自社株買いの発表や子会社のキヤノンメディカルシステムズが迅速な新型コロナウイルス遺伝子検査システムの開発を開始したと発表したことを手掛かりにした。

東証1部の騰落数は、値上がり620銘柄に対し、値下がりが1464銘柄、変わらずが76銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値      22426.19 -179.22

寄り付き    22374.14

安値/高値   22127.42─22456.55

TOPIX<.TOPX>

終値       1606.17 -12.09

寄り付き     1602.49

安値/高値    1587.35─1608.86

東証出来高(万株) 167717

東証売買代金(億円) 30096.91