南極を襲った異常な熱波、最北端の島はわずか９日で２０％の雪解け

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注目のコメント

• 谷村 研人

  国内航空会社 気象予報士

  ・2020年02月26日

  先日、南極で観測史上最高となる気温を観測したというニュースが流れましたが、その前後の時期の衛星写真を比べると、明らかに雪が解けていたことが分かりました、というニュースです。CNN日本版の記事では写真の日付が書いてありませんが、2月4日と2月13日の写真を比較しています。
  また一冬で降る雪の20％が解けたとの表現がありますが、イーグル島で実際に積雪量の観測が行われていたわけではなく、あくまで数値演算でこの期間中に10.6cmの積雪が融解したという結果が出ているという状態のようです（ただし氷河の上に解けた湖があることからおよそ信じられる値です）。
  
  原因としては単に地球温暖化であるというだけではなく、南極の寒気を閉じ込めておくジェット気流の弱体化が挙げられています。北半球でも、北極を取り巻くジェット気流が相対的に弱い時に寒気が南まで下りてきたり、逆に北極付近に暖気が入り込んだりします。
  なぜ2020年になって南極の周りのジェット気流が弱いのかが一つのポイントになってくるでしょう。