[パリ 21日 ロイター] - フランスのルメール経済・財務相は21日、新型コロナウイルスの感染拡大はフランスの製造業者にとって、中国やアジアへの過度な依存に対する警告になっているとし、供給網を大幅に見直すよう求めたと明らかにした。

同相は新型ウイルスの影響に関する産業界との会合後、記者団に対し、「経済的および戦略的な独立」の再構築が必要な業界の特定を要請したと指摘。「今回の感染拡大は、供給を巡る問題が特定の業種で戦略的問題に引き起こしていることを示している」と述べた。

特に製薬業界を取り上げ、一部医薬品の活性剤の原材料のうち80%が中国やアジアから調達しているとした。

また自動車メーカーがブレーキペダルの調達で問題を抱えているとしたほか、ワイン業界でも中国はフランスにとって2番目に大きい市場だと指摘した。

ただ、新型ウイルスの感染拡大によるフランス経済への影響は限定的で、今年の経済成長率の押し下げ幅は0.1%ポイントとした。

このほか、仏政府は新型ウイルスの影響を受けた企業が納税する際に時間的な余裕を与えるべきとしたほか、服飾業界を中心とする大手企業に対しては、注文に応じることが難しい中小企業に対し寛大な措置をとるよう求めた。